三七日と洒水忌:故人を偲ぶ大切な法要

三七日と洒水忌:故人を偲ぶ大切な法要

葬式を知りたい

先生、『洒水忌』って、聞き慣れない言葉なんですが、どういう意味ですか?

お葬式専門家

いい質問だね。『洒水忌』は、故人が亡くなってから21日目に行う法事のことだよ。別名『三七日(みなのか)』ともいうんだよ。

葬式を知りたい

21日目…なるほど。どうして『洒水忌』っていう名前なんですか?

お葬式専門家

昔は、毎日、故人の体に水を注いでいました。その弔いの儀式が終わるのが21日目なので、『洒水(しゃすい)』つまり水を注ぐという意味の言葉と『忌日』を合わせて『洒水忌』というんだよ。

洒水忌とは。

人が亡くなってから二十一日目の法要を『洒水忌』といいます。

三七日とは

三七日とは

三七日とは、人が亡くなってから二十一日目のことを指します。仏教では、亡くなった後、七日ごとに法要を営む「中陰法要」という儀式があり、その一つが三七日です。 初七日から始まり、二七日、三七日と続き、四七日、五七日、六七日を経て、四十九日の満中陰を迎えます。この四十九日間は、中陰の期間と呼ばれ、故人の魂がこの世とあの世の間をさまよっていると信じられています。そのため、この期間は遺族が故人のために祈りを捧げ、迷わずにあの世へ旅立てるようにと願う、大切な期間とされています。

七日ごとの法要の中でも、三七日は比較的大きな節目と考えられています。地域によっては特に手厚く供養する風習も残っています。この日には、親族や故人と親しかった友人などが集まり、僧侶にお経を読んでもらい、焼香を行います。また、僧侶による法話は、仏教の教えに触れることで、死というものを改めて深く考える機会となり、悲しみを癒す助けにもなります。 静かに読経を聞き、故人の冥福を祈ることで、安らかな気持ちを取り戻すことができるでしょう。

三七日の法要は、故人の成仏を願うだけでなく、遺族にとっては大切な意味を持ちます。故人の在りし日を偲び、共に過ごした日々を振り返り、思い出を語り合うことで、悲しみに向き合い、乗り越えていく力を得ることができるのです。 そして、故人が遺してくれたもの、教えてくれたことなど、生きた証を改めて感じ、感謝の気持ちで心を満たす機会ともなります。このように、三七日は故人のため、そして遺族のためにも、大切な節目となっているのです。

項目 内容
三七日とは 人が亡くなってから21日目に行う法要。中陰法要の一つ。
中陰法要 人が亡くなってから49日間、七日ごとに営む法要。初七日から始まり、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日(四十九日)まで行われる。
中陰の期間 死後49日間。故人の魂がこの世とあの世の間をさまよっているとされる期間。
三七日の意味
  • 故人の成仏を願う
  • 遺族が故人の在りし日を偲び、思い出を語り合う
  • 悲しみに向き合い、乗り越える力を得る
  • 故人の生きた証を感じ、感謝する
三七日の法要内容
  • 親族や友人などが集まる
  • 僧侶による読経、焼香
  • 僧侶による法話

洒水忌の由来

洒水忌の由来

三七日、つまり亡くなってから二十一日目の法要は、洒水忌(しゃすいき)とも呼ばれています。この少し聞き慣れない呼び名には、深い歴史と意味が込められています。その由来は、古代インドの風習に遡ります。当時の人々は、亡くなった人の霊を供養するために、香水を注ぐ儀式を行っていました。遠い異国の地で行われていたこの風習が、時を経て日本へと伝わってきました。

しかし、日本では香水ではなく、清浄な水を故人に供えるようになりました。仏教において、清浄を意味する聖なる水は「洒水(しゃすい)」と呼ばれ、煩悩という心の汚れを洗い流し、心を清める力を持つと信じられてきました。この洒水を故人に供えることで、故人の霊を清め、迷いなく成仏へと導くという意味が込められていたのです。そして、この水が転じて、三七日の法要は洒水忌と呼ばれるようになったと言われています。

現代においては、必ずしも洒水を用いるわけではありません。お焼香をしたり、読経をしたりと、様々な形に変化してきています。しかし、洒水忌という名称には、故人の霊を清め、安らかに眠ってほしいという遺族の切なる願いが込められていることは、今も昔も変わりません。古くからの伝統と、そこに込められた思いを知ることで、故人を偲び、冥福を祈る気持ちをより一層深めることができるのではないでしょうか。

法要 別名 由来 意味 現代における変化
三七日(21日目) 洒水忌(しゃすいき) 古代インドの香水供養
日本において清浄な水(洒水)を故人に供えるように変化
故人の霊を清め、迷いなく成仏へと導く 必ずしも洒水は用いず、焼香、読経など様々な形に変化

法要の実際

法要の実際

三十七日の法要は、故人の死後三十七日目に行われる重要な仏事です。これは、故人の霊が初めてあの世の裁判を受ける日とされ、遺族や親族、故人と親しかった人々が集まり、冥福を祈ります。法要の場所は、自宅や寺院、斎場などで行われることが一般的です。

法要が始まる前に、参列者は受付を済ませ、席に着きます。服装は、喪服が基本です。平服で参列する場合は、地味な色合いの服装を選び、アクセサリーも控えめにします。法要の進行は僧侶の読経に始まり、焼香を行います。焼香の作法は宗派によって多少の違いはありますが、一般的には額のあたりまで香をつまみ、静かに香炉にくべます。焼香の際には、故人の冥福を祈る気持ちを込めて行います。

読経と焼香が終わると、僧侶から法話があります。法話では、仏教の教えや故人の功徳などが語られます。法話の後は、参列者一同で故人の霊前に合掌し、冥福を祈ります。

法要の後には、会食の席が設けられることが一般的です。会食は、故人を偲び、思い出を語り合う大切な時間です。食事の内容は、精進料理が一般的ですが、地域や家庭の事情に合わせて、通常の料理が振る舞われることもあります。故人の好きだった料理を出す場合もあります。会食の席では、故人の生前のエピソードや人となりなどを語り合い、故人を偲び、参列者同士が故人を失った悲しみを分かち合い、支え合う場ともなります。

三十七日の法要は、故人の冥福を祈るとともに、遺族や親族、故人と親しかった人々が集まり、悲しみを分かち合い、支え合う大切な機会です。心を込めて故人を偲び、冥福を祈りましょう。

項目 内容
意味 故人の死後37日目、故人が初めてあの世の裁判を受ける日、冥福を祈る
場所 自宅、寺院、斎場など
服装 喪服が基本、平服の場合は地味な色合いでアクセサリー控えめ
流れ 受付 → 着席 → 読経 → 焼香 → 法話 → 合掌
焼香 額のあたりまで香をつまみ、静かに香炉にくべる。宗派により多少の違いあり
法話 仏教の教えや故人の功徳など
会食 精進料理が一般的、地域や家庭の事情に合わせて通常料理の場合も、故人の好きだった料理を出す場合も
会食の意義 故人を偲び、思い出を語り合う。故人を失った悲しみを分かち合い、支え合う。
全体の意義 故人の冥福を祈る、遺族や親族、故人と親しかった人々が集まり、悲しみを分かち合い、支え合う機会

供物や香典

供物や香典

三七日法要には、故人を偲び、遺族を慰める気持ちを表すために、供物や香典を持参するのが一般的です。

まずは供物についてですが、これは故人の霊前に供えるもので、仏式では、故人が好んでいたものや、あの世での糧となるようにとの願いを込めて、果物、お菓子、線香、ろうそくなどが選ばれます。最近では、お茶やコーヒーなどの嗜好品、故人が好きだったお酒なども選ばれるようになってきました。ただし、地域や宗派によって異なる場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。供物の表書きは「御供物」と書き、水引は、白黒、黄白、双銀などの結び切りのものを使用します。

次に香典についてですが、これは遺族の葬儀費用などの負担を少しでも和らげようという気持ちで贈る金銭的な援助です。香典は、不祝儀袋に入れて持参します。金額は、故人との関係性や地域、自身の経済状況によって異なりますが、一般的には数千円から数万円が相場です。表書きは「御香典」「御霊前」などとし、水引は供物と同様に白黒、黄白、双銀などの結び切りのものを使用します。中袋には、金額と住所、氏名を記入します。

供物と香典は、いずれも故人への弔意を表す大切なものです。金額や品物に決まった正解はありませんので、故人との関係性や遺族の意向などを考慮し、無理のない範囲で適切なものを選ぶことが大切です。葬儀社や詳しい人に相談してみるのも良いでしょう。

項目 内容 表書き 水引 金額相場
供物 故人の霊前に供えるもの。果物、お菓子、線香、ろうそくなど。故人の好物や嗜好品も可。地域や宗派による違いあり。 御供物 白黒、黄白、双銀などの結び切り
香典 葬儀費用などの負担を和らげるための金銭的援助 御香典、御霊前 白黒、黄白、双銀などの結び切り 数千円~数万円

現代における三七日

現代における三七日

三七日とは、人が亡くなってから二十七日目に行う追善供養のことです。仏教の教えでは、人が亡くなってから四十九日間は、七日ごとに故人の霊魂が審判を受けるとされています。そして、この世とあの世をさまよう故人の霊を無事にあの世へと導くために、遺族は七日ごとの節目で供養を行うのです。中でも、三七日は中陰の期間のおおよそ中間地点にあたるため、特に大切な法要とされています。

かつては、三七日の法要は親族や近隣の人々を招いて盛大に行うのが一般的でした。しかし、現代社会は家族のかたちや暮らし方も多様化し、葬儀や法要も簡略化が進んでいます。三七日の法要も、必ずしも盛大に行う必要はなく、遺族の置かれた状況や考え方に合わせて柔軟に対応することが可能です。

例えば、親族だけでこぢんまりと行ったり、初七日や四十九日などの他の法要と合わせて行うことも増えています。また、遠方に住む親族などは、インターネットのビデオ通話などを利用して法要に参列することもあります。インターネットのおかげで、直接会うのが難しい親族も、同じ時間を共有し、共に故人を偲ぶことができるようになりました。

大切なのは、形式にとらわれすぎることなく、故人を偲び、冥福を祈る気持ちを持つことです。時代の変化に合わせて、それぞれの家庭にふさわしい形で故人を弔うことが重要です。故人の思い出を語り継ぎ、その存在を心に留めておくことが、真の供養と言えるでしょう。現代社会においては、三七日をどのように行うか、故人の生前の希望や遺族の状況などを考慮し、よく話し合って決めることが大切です。

項目 内容
三七日とは 故人が亡くなってから27日目に行う追善供養。四十九日の忌日の一つ。
目的 あの世とこの世をさまよう故人の霊をあの世へ導くため、遺族が七日ごとの節目で供養を行う。中でも三七日は中陰期間のおおよそ中間地点のため、特に大切な法要。
現代における三七日 家族のかたちや暮らし方の多様化、葬儀・法要の簡略化に伴い、必ずしも盛大に行う必要はなく、遺族の状況や考え方に合わせて柔軟に対応可能。
現代における三七日の例
  • 親族だけで行う
  • 他の法要と合わせて行う
  • インターネットのビデオ通話で参列する
大切なこと 形式にとらわれず、故人を偲び、冥福を祈る気持ちを持つこと。時代の変化に合わせ、それぞれの家庭にふさわしい形で故人を弔うこと。故人の思い出を語り継ぎ、心に留めておくことが真の供養。