墓石のカロート:ご遺骨を守る大切な場所
カロートとは、お墓の中に設けられたご遺骨を納める空間のことです。納骨室とも言われ、お墓の土台となる基礎の上に設置されています。このカロートという言葉の由来は、昔、ご遺体を納めていた「唐櫃(からうと)」から来ていると言われています。唐櫃とは、木でできた棺桶のことで、主に土葬で使われていました。時代が変わり、火葬が中心となるにつれて、唐櫃という言葉も変化し、カロートと呼ばれるようになりました。そして、ご遺骨を納める場所を指すようになったのです。つまり、土葬の文化から火葬の文化へと変わっていく中で、カロートは、その役割と名前を変えてきた歴史を持っていると言えるでしょう。カロートには、いくつかの種類があります。お墓の区画全体をカロートとする「地下納骨室型」、お墓の一部分に設ける「地上納骨室型」、そして、墓石の中にカロートを設ける「墓石一体型」などがあります。地下納骨室型は、多くの骨壺を収納できるため、複数のご遺骨を納めたい場合に選ばれます。地上納骨室型は、お墓参りの際に、納骨室の扉を開けて、お骨壺を取り出してお参りできるという利点があります。墓石一体型は、省スペースで設置できるため、近年人気が高まっています。カロートの大きさは、納められる骨壺の数によって異なります。一般的には、骨壺を7つから8つ納められる大きさのものが多く、家族代々で使うお墓に向いています。また、カロートの素材は、コンクリートや石などが使われており、耐久性に優れています。カロートを選ぶ際には、お墓の広さや、納骨する人数、そして予算などを考慮することが大切です。石材店の方とよく相談し、最適なカロートを選び、大切なお墓を建てましょう。