仏壇を彩る具足の役割と種類
葬式を知りたい
先生、『具足』って仏壇に置く道具のことですよね?種類がたくさんあるみたいでよくわからないのですが…
お葬式専門家
そうだね。『具足』は仏壇に置く道具のことで、香炉、燭台、花立の基本的な3つを指すことが多いね。これを三具足というんだよ。
葬式を知りたい
三具足以外もあるんですか?
お葬式専門家
そうだよ。例えば、燭台と花立を2つずつにして香炉と合わせると五具足になる。さらに、茶湯器、仏飯器を加えると七具足、高杯などを加えると十具足もある。宗派によっても違うんだよ。
具足とは。
お葬式やお法事に関わる言葉、「具足」について説明します。具足とは、仏壇などに置く仏具、特に基本となる道具のことを指します。仏壇の広さや、普段の生活で飾ることを考えて、香炉、燭台(1つ)、花立(1つ)の3つの道具を指すことが多いです。お法事などで本格的に飾る場合は、燭台と花立をそれぞれ2つずつにして、香炉と合わせて五具足と呼びます。さらに、茶湯器と仏飯器を加えると七具足、茶湯器に高杯を2つと仏飯器を2つ加えると十具足と呼ぶこともあります。また、浄土真宗などでは、華瓶(樒などを挿す瓶)を2つ、火舎(蓋付きの香炉)、燭台を合わせて四具足とする宗派もあります。仏壇への仏具の配置は宗派によって違いますので、確認するようにしてください。
具足とは何か
仏壇に置く道具のことを仏具といいますが、その中でも特に基本となる道具一式を「具足」と呼びます。
具足には様々な種類がありますが、中心となるのは「三具足」です。三具足とは、香炉、燭台、花立の三つの道具のことです。お仏壇の大きさや宗派によって多少の違いはありますが、この三つは基本的な仏具として用いられます。
香炉はお線香を焚くための器です。お線香の香りは、仏様への祈りを届けるものと考えられています。毎日お線香を焚き、故人を偲び、感謝の気持ちを伝えましょう。
燭台はろうそくを立てるための器です。ろうそくの火は、仏様の世界を明るく照らし、私たちに迷いのない道を示してくれるとされています。ろうそくの火を灯すことで、心静かに故人を偲ぶことができます。
花立は花を生けるための器です。仏様へのお供え物として、季節の花や故人の好きだった花などを供えます。花は私たちの心を和ませ、故人への想いを伝える大切な役割を果たします。
この三具足は、毎日のお参りの中で、私たちの祈りを仏様に届けるための大切な役割を果たしています。また、故人の霊を慰め、感謝の気持ちを伝えるためにも欠かせないものです。毎日欠かさず、心を込めてお供えすることで、故人との繋がりを深め、安らぎを得ることができます。
三具足の他に、五具足、七具足といったものもあります。五具足は三具足に火舎(かしゃ)と香炉を加えたもの、七具足は五具足に仏飯器と茶湯器を加えたものです。仏壇の大きさや宗派に合わせて、適切な具足を揃えましょう。
具足の種類 | 構成 | 説明 |
---|---|---|
三具足 | 香炉、燭台、花立 | 最も基本的な具足。香炉は線香を焚く器、燭台はろうそくを立てる器、花立は花を生ける器。 |
五具足 | 三具足 + 火舎 + 香炉 | 三具足に火舎と香炉を加えたもの。 |
七具足 | 五具足 + 仏飯器 + 茶湯器 | 五具足に仏飯器と茶湯器を加えたもの。 |
三具足から五具足へ
仏壇に飾る仏具の中でも、香炉・燭台・花立の三つを三具足と呼びます。これは、毎日欠かさず故人に供える基本の仏具です。香炉にはお線香を焚き、良い香りを仏様の世界に届けます。燭台には灯明を灯し、仏様の世界を明るく照らします。花立には生花をお供えし、仏様の世界を美しく彩り、私たちの感謝の気持ちを伝えます。この三具足に加えて、法事などの特別な儀式には、燭台と花立をもう一対ずつ加えた五具足を用いることが一般的です。つまり、香炉は一つ、燭台は左右に一つずつ、花立も左右に一つずつの合計五つの仏具になります。
五具足を用いる意味は、三具足よりもさらに荘厳な雰囲気を演出し、儀式の格式を高めることにあります。普段の静かな祈りの場である三具足とは異なり、五具足は特別な機会に用いることで、その場を神聖なものとし、故人を偲ぶ気持ちをより一層深める効果があります。また、故人への敬意と冥福を祈る気持ちをより強く表す意味も込められています。
五具足は法事以外にも、年忌法要や命日など、特別な祈りを捧げたい時にも用いることができます。例えば、故人の好きだったものをお供えしたり、故人との思い出を語りながら、五具足の前で静かに祈りを捧げることで、故人との繋がりを改めて感じ、心の安らぎを得ることができるでしょう。五具足は、私たちが故人と心を通わせる大切な役割を果たしてくれるのです。
具足 | 数 | 意味/目的 | 使用場面 |
---|---|---|---|
三具足 | 香炉 × 1 燭台 × 1 花立 × 1 |
毎日故人に供える基本の仏具 香炉:良い香りを仏様の世界に届ける 燭台:仏様の世界を明るく照らす 花立:仏様の世界を美しく彩り、感謝の気持ちを伝える |
毎日 |
五具足 | 香炉 × 1 燭台 × 2 花立 × 2 |
儀式の格式を高め、荘厳な雰囲気を演出 特別な機会に用いることで、故人を偲ぶ気持ちをより一層深める 故人への敬意と冥福を祈る |
法事、年忌法要、命日など |
七具足と十具足
仏壇に飾る仏具の中でも、故人に毎日お供え物をするための道具を「具足」といいます。具足には種類があり、三具足、五具足、七具足、十具足と、お供えする器の数が増えていきます。
三具足は、香炉、燭台、花立の三つの器からなります。香炉は、お香を焚くための器で、良い香りを仏様に届けるという意味があります。燭台は、ろうそくを立てるための器で、仏様の世界を明るく照らすという意味があります。花立は、花をお供えするための器で、仏様を美しく飾るという意味があります。
五具足は、この三具足に、香炉の左右に配置する一対の瓶子(へいし)を加えたものです。瓶子は、お酒や水を供えるための器です。仏様は、私たちと同じように飲食をなさると考えられており、五具足はそのお食事のために用意するものとも言えます。
七具足は、五具足に茶湯器と仏飯器を加えたものです。茶湯器は、お茶または湯を供えるための器で、仏様に喉を潤していただくためのものです。仏飯器は、ご飯を供えるための器で、仏様に食事を差し上げるという意味があります。
十具足は、七具足に高坏を一対加えたものです。高坏は、果物やお菓子、餅など、ご飯以外の食べ物を供えるための器です。 平たいお皿のような形状のものと、脚の高いものがあります。
このように、具足の種類によってお供えするものが異なり、数が増えるほど、より丁寧な供養の形となります。お供え物は、故人が生前好んでいたものや、季節のものを選ぶと良いでしょう。心を込めてお供えすることで、故人との繋がりを深め、感謝の気持ちを伝えることができます。
具足の種類 | 構成 | お供え物 | 意味 |
---|---|---|---|
三具足 | 香炉、燭台、花立 | お香、ろうそく、花 | 良い香りを仏様に届ける、仏様の世界を明るく照らす、仏様を美しく飾る |
五具足 | 三具足+瓶子(一対) | 三具足に加え、お酒または水 | 仏様の飲食のため |
七具足 | 五具足+茶湯器+仏飯器 | 五具足に加え、お茶または湯、ご飯 | 仏様に喉を潤していただく、仏様に食事を差し上げる |
十具足 | 七具足+高坏(一対) | 七具足に加え、果物、お菓子、餅など | ご飯以外の食べ物を供える |
宗派による違い
仏壇に飾る仏具の種類や置き方は、宗派によって大きく異なることがあります。仏教には様々な宗派があり、それぞれ教えや作法が少しずつ違います。そのため、故人の信仰していた宗派に合わせた仏具を選び、正しく配置することが、丁寧な供養につながります。
例えば、浄土真宗では、華瓶(けびょう樒などを入れる花瓶)一対、火舎(かしゃ蓋の付いた香炉)、そして燭台(しょくだいろうそくを立てる台)を合わせて四具足と呼ぶことがあります。一方、他の宗派では、これらに加えて、線香立てや香炉、おりんなど、五具足、七具足といったように、より多くの仏具を用いる場合もあります。また、同じ仏具でも、形や材質、大きさなどが宗派によって異なることもあります。
自分の家の宗派が分からない場合は、菩提寺(ぼだいじ先祖代々のお墓があるお寺)に尋ねるか、仏壇店に相談してみましょう。仏壇店では、様々な宗派の仏具を取り扱っており、専門の知識を持った店員が、適切な仏具選びを助けてくれます。それぞれの仏具の意味や使い方、配置の仕方なども丁寧に教えてくれるので安心です。また、最近ではインターネット上でも、宗派ごとの仏具に関する情報を得ることができます。
故人の宗派に合った仏具を正しく用いることは、故人を偲び、供養する上で大切なことです。仏具を通して、故人の冥福を祈り、感謝の気持ちを伝えましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
仏壇の仏具 | 宗派によって種類や置き方が異なる |
浄土真宗 | 華瓶(けびょう)、火舎(かしゃ)、燭台(しょくだい)の四具足 |
他宗派 | 五具足、七具足など。線香立て、香炉、おりんなど |
宗派不明の場合 | 菩提寺か仏壇店に相談 |
仏壇店のサービス | 仏具の取り扱い、専門知識によるアドバイス、意味や使い方、配置方法の指導 |
情報源 | インターネットでも宗派ごとの情報あり |
仏具の意義 | 故人を偲び、供養、冥福を祈り、感謝を伝える |
具足の手入れ
仏壇に欠かせない仏具は、故人への供養の気持ちを表す大切な道具です。常に清浄な状態を保つことは、故人への敬意を表すだけでなく、自身の心を清めることにも繋がります。だからこそ、日頃から丁寧なお手入れを心掛け、美しい状態を保つことが重要です。
仏具の手入れは、素材によって方法が異なります。香炉や燭台、花立などの金属製の仏具は、柔らかい布で丁寧に埃を拭き取りましょう。こびり付いた汚れには、ぬるま湯に浸した布を固く絞って拭き取ると効果的です。特に真鍮製の仏具は、空気に触れると酸化して変色しやすいため、定期的に金属磨き専用の研磨剤で磨くことで美しい輝きを保つことができます。研磨剤を使う際は、目立たない場所で試してから全体に使用するようにし、強くこすり過ぎないように注意しましょう。また、金メッキや漆塗りが施された仏具は、研磨剤を使用すると表面を傷つけてしまうため、乾いた柔らかい布で優しく拭くだけにしましょう。
陶器や磁器でできた仏具である湯呑や仏飯器は、欠けやひび割れがないか確認しながら、柔らかい布で丁寧に埃を拭き取ります。汚れが気になる場合は、ぬるま湯で優しく洗い、しっかりと乾燥させましょう。洗剤を使用する場合は、中性洗剤を使用し、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流すことが大切です。
花立の水は毎日交換し、常に新鮮な状態を保ちましょう。水の交換を怠ると、水が腐敗して悪臭を放つだけでなく、花立自体を傷める原因にもなります。花立を洗う際は、柄付きのスポンジなどを使い、内部までしっかりと洗いましょう。
仏具を丁寧に手入れすることは、故人を偲び、供養の心を形にする大切な行いです。日々の心掛けで、仏壇を清浄な場所に保ちましょう。
仏具の種類 | 素材 | お手入れ方法 | 注意点 |
---|---|---|---|
香炉、燭台、花立など | 金属(真鍮など) | 柔らかい布で埃を拭き取る。こびり付いた汚れはぬるま湯で拭く。真鍮は金属磨きで磨く。 | 真鍮は酸化しやすいので定期的に磨く。研磨剤は目立たない場所で試してから使う。強くこすり過ぎない。 |
香炉、燭台、花立など | 金メッキ、漆塗り | 乾いた柔らかい布で優しく拭く。 | 研磨剤は使用しない。 |
湯呑、仏飯器 | 陶器、磁器 | 柔らかい布で埃を拭き取る。汚れはぬるま湯で洗う。 | 欠けやひび割れがないか確認する。洗剤は中性洗剤を使う。すすぎ残しがないようにする。 |
花立 | – | 花立の水は毎日交換。柄付きのスポンジなどで内部まで洗う。 | 水の交換を怠ると水が腐敗し、悪臭を放ち、花立を傷める。 |
心を込めた供養を
仏壇に飾る仏具は、単なる道具ではなく、亡くなった方への想いを伝える大切な品です。金色の光沢が美しいもの、落ち着いた色合いのもの、形も様々ですが、故人の好みや生前の思い出を偲びながら選ぶことで、より一層深い意味を持つことでしょう。例えば、生前に華やかなものが好きだった方には、美しい装飾の仏具を選んだり、読書が好きだった方には、落ち着いた雰囲気の仏具を選ぶなど、故人の人となりを反映した品を選ぶことで、心からの供養ができます。
仏具の配置にも気を配ることで、より丁寧な供養ができます。香炉、燭台、花立といった基本的な仏具の配置はもちろん、位牌や遺影の置き方にも心を配りましょう。毎日のお参りで手を合わせる時は、故人の冥福を心から祈り、感謝の気持ちを伝えることで、穏やかな時間を過ごすことができます。朝一番にお線香をあげ、お茶やご飯をお供えし、静かに手を合わせることで、故人と心を通わせ、日々の暮らしに安らぎを見出すことができるでしょう。
また、家族や親族と一緒にお参りをすることは、故人との思い出を語り合い、共有する貴重な機会となります。生前の楽しかった出来事や、共に過ごした時間を振り返ることで、故人への想いを新たにし、家族の絆を深めることができます。
仏具は、故人との繋がりを tangible な形で感じるための大切なものです。形あるものだからこそ、故人の存在を身近に感じ、心温まる供養を続けることができるのです。日々の暮らしの中で、仏具を通して故人を偲び、感謝の気持ちを持ち続けることで、心豊かな日々を送ることができるでしょう。
テーマ | 詳細 |
---|---|
仏具選び | 故人の好みや生前の思い出を反映した仏具を選ぶことで、心からの供養になる。例えば、華やかなものが好きだった方には美しい装飾の仏具を、読書が好きだった方には落ち着いた雰囲気の仏具を選ぶ。 |
仏具の配置 | 香炉、燭台、花立といった基本的な仏具の配置はもちろん、位牌や遺影の置き方にも心を配る。 |
日々の供養 | 毎日、朝一番にお線香をあげ、お茶やご飯をお供えし、静かに手を合わせることで、故人と心を通わせ、日々の暮らしに安らぎを見出すことができる。 |
家族とのお参り | 家族や親族と一緒にお参りをすることは、故人との思い出を語り合い、共有する貴重な機会となり、家族の絆を深める。 |
仏具の意義 | 仏具は、故人との繋がりを tangible な形で感じるための大切なもの。故人の存在を身近に感じ、心温まる供養を続けることができる。 |