大切な人を包む骨覆:その役割と選び方
葬式を知りたい
先生、骨覆(こつぶくろ)って、何ですか?
お葬式専門家
骨覆とは、火葬後のご遺骨を納めた骨壷を包むための布製の袋のことだよ。地域によっては骨箱を使わず、この骨覆に包んで持ち帰る場合もあるね。
葬式を知りたい
なるほど。骨壷を入れる袋なんですね。どんな時に使うんですか?
お葬式専門家
火葬場から自宅、そしてお墓に移動する際に使います。お墓に納骨した後、骨覆は持ち帰るか、火葬場で処分してもらうことが多いよ。
骨覆とは。
お葬式やお法事で使われる『骨覆い』という言葉について説明します。骨覆いとは、骨壺を包むための布でできた袋のことです。
骨覆とは
骨覆とは、火葬後のご遺骨を納めた骨壷を包むための布製の袋のことです。大切な故人様を包み込み、守るという意味が込められており、葬儀や法要で大切な役割を担っています。
その起源は、土葬が主流だった時代に遡ります。当時は、ご遺体を包むために布が用いられていました。時代が変わり、火葬が一般化するにつれて、現在の骨壷を包む形へと変化していったのです。
骨覆には、骨壷を傷から守るという実用的な目的もあります。ご遺骨を直接持ち運ぶ際に、骨壷がぶつかったり、傷ついたりするのを防ぎます。しかし、それ以上に大きな意味を持つのが、故人様を敬い、大切に思う気持ちの表れとしての役割です。故人様を丁寧に包み込むことで、感謝の気持ちや、安らかに眠ってほしいという願いを込めるのです。
骨覆には様々な種類があります。色や柄、素材も実に様々で、故人様の生前の好みや趣味、ご遺族の故人様への想いを込めて選ぶことができます。例えば、故人様が華やかなものが好きだった方は、明るい色合いのものや、美しい刺繍が施されたものを選ぶことができます。また、落ち着いた雰囲気を好まれた方は、深い色合いのシンプルなものが良いでしょう。素材も、絹や綿、麻など様々なものがありますので、故人様にふさわしいものを選ぶと良いでしょう。
このように、骨覆は単なる袋ではなく、故人様への想いを形にする大切な品です。ご遺族にとって、故人様を偲び、弔う大切な儀式の中で、骨覆は静かに、そして力強く、その想いを支えてくれることでしょう。
項目 | 説明 |
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骨覆とは | 火葬後のご遺骨を納めた骨壷を包むための布製の袋 |
起源 | 土葬時代に遺体を包む布が用いられていたものが、火葬の普及とともに骨壷を包む形に変化 |
役割・意味 |
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種類 | 色、柄、素材など様々。故人様の生前の好みや趣味、ご遺族の故人様への想いを込めて選ぶ |
選び方 |
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骨覆の選び方
ご遺骨を納める骨覆は、故人様を偲び、弔いの心を表す大切な品です。どのような骨覆を選べばよいか迷われる方も多いかと思いますので、選び方のポイントをいくつかご紹介します。
まず、故人様が生前どのようなものがお好きだったかを思い浮かべてみましょう。好きだった色や柄、素材などを参考にすると、故人様らしい骨覆を選ぶことができます。例えば、華やかなものが好きだった方には明るい色合いのものや美しい刺繍が施されたもの、落ち着いたものが好きだった方にはシンプルなデザインのものなど、故人様の個性を反映したものを選ぶと良いでしょう。生前愛用していた着物や、思い出の品の色を取り入れるのもおすすめです。
地域や宗派によって、伝統的な色や柄、素材、形状などが定められている場合もあります。ご自身で判断するのが難しい場合は、葬儀社の方に相談してみると安心です。
一般的には、白、紫、藍色などの落ち着いた色合いのものが多く用いられます。白は清浄さを、紫は高貴さを、藍色は静寂を表す色とされています。
素材は、絹、綿、麻など様々なものがあります。絹は高級感があり、滑らかな手触りが特徴です。綿は柔らかく、吸湿性に優れています。麻は通気性が良く、丈夫です。季節や好みに合わせて、最適な素材を選びましょう。
近年では、刺繍や模様が施されたもの、故人様のイメージに合わせた独自のものを製作できる場合もあります。様々な種類の骨覆がありますので、故人様らしさを表現できるような、想いのこもった一品を選びましょう。
骨覆を選ぶ際には、故人様への想いを込めて、じっくりと時間をかけて選ぶことが大切です。故人様を偲び、安らかに眠っていただけるよう、心を込めて選びましょう。
項目 | 内容 |
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故人様の好み | 生前好きだった色、柄、素材などを参考に、故人様らしい骨覆を選ぶ。華やかなものが好きだった方には明るい色合い、落ち着いたものが好きだった方にはシンプルなデザインなど。生前愛用していた着物や思い出の品の色を取り入れるのも良い。 |
地域・宗派の慣習 | 地域や宗派によって伝統的な色や柄、素材、形状などが定められている場合があるため、葬儀社に相談すると安心。 |
一般的な色 | 白(清浄)、紫(高貴)、藍色(静寂)などの落ち着いた色合い。 |
素材 | 絹(高級感、滑らかな手触り)、綿(柔らかさ、吸湿性)、麻(通気性、丈夫さ)など。季節や好みに合わせて選ぶ。 |
その他 | 刺繍や模様が施されたもの、故人様のイメージに合わせた独自の製作も可能。 |
大切なこと | 故人様への想いを込めて、じっくりと時間をかけて選ぶ。 |
骨覆の包み方
お骨を納めた骨壺を包む骨覆。その包み方には、地域や宗派によって細かな違いが見られますが、基本的には骨壺を覆い、紐で結ぶ形となります。大切な故人様を想い、丁寧に優しく包むことが何よりも大切です。
通常は葬儀社の担当者が骨覆を包んでくれます。自分たちで包みたいという希望がある場合は、事前に葬儀社へ相談し、手順を確認しておきましょう。包み方を教えてもらうことで、安心して故人様を見送ることができます。
骨覆を包む際には、まず骨壺を骨覆の中心に置きます。そして、骨覆の左右の端を折りたたみ、骨壺を覆うように包みます。次に、上下の端を折りたたみ、最後に紐で結びます。この時、結び目がしっかりと固定されているかを確認することが大切です。
骨覆を包んだ後、さらに風呂敷で包む場合もあります。風呂敷の色や柄は、故人様の好きだった色や、地域、宗派の慣習に配慮して選びましょう。派手な色柄ではなく、落ち着いた色合いのものを選ぶことが一般的です。白や紫、藍色などが多く用いられます。
骨覆と風呂敷は、故人様を送る最後の身支度を整えるという意味合いを持ちます。丁寧に心を込めて包むことで、故人様への想いを表現し、安らかな旅立ちを祈ることができます。
項目 | 説明 |
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骨覆の包み方 |
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風呂敷 |
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その他 |
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骨覆の保管方法
四十九日の法要が済むまでは、白木の骨覆を自宅の仏壇、もしくは後壇に安置するのが一般的です。位牌、遺影、供物、香炉、燭台などを用意し、故人を偲び、祈りを捧げましょう。四十九日を過ぎ、納骨までの間も、自宅で保管することができます。その際は、仏壇や後壇に安置するのが良いでしょう。もし、仏壇や後壇がない場合は、直射日光を避け、風通しの良い、温度や湿度の変化が少ない場所に安置しましょう。
湿気がこもりやすい場所ですと、カビが発生したり、骨壺が傷む原因となりますので、除湿剤などを用いて湿気対策をしっかり行うことが大切です。また、虫の発生も防ぎたいものです。市販の防虫剤を骨覆の近くに設置することで、虫の侵入を防ぐことができます。
自宅保管以外にも、納骨までの間、お寺に預けるという方法もあります。お寺によっては、預かり料が必要な場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
納骨後は、骨覆は通常必要なくなります。お寺によっては、引き取ってもらえる場合もありますので、事前に相談してみましょう。そのまま処分することに抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。その場合は、お焚き上げなどで供養してもらうのも一つの方法です。
骨覆は、故人の遺骨を納める大切な器です。故人を偲び、想いを馳せる大切なものとして、丁寧に扱い、大切に保管、もしくは供養しましょう。
期間 | 保管場所 | 注意点 |
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四十九日まで | 自宅の仏壇、もしくは後壇 | 位牌、遺影、供物、香炉、燭台などを用意 |
四十九日以降、納骨まで | 自宅の仏壇、後壇 仏壇、後壇がない場合は直射日光を避け、風通しの良い、温度や湿度の変化が少ない場所 |
除湿剤を用いた湿気対策、防虫剤の設置 |
納骨まで | お寺(預かり料が必要な場合あり) | 事前に確認が必要 |
納骨後 | 不要(お寺に引き取ってもらえる場合あり) | 処分に抵抗がある場合はお焚き上げなどで供養 |
様々な骨覆
近年、故人をお送りする大切な儀式である葬送において、骨覆にも多様な選択肢が生まれています。従来の白、紫、藍色といった落ち着いた色合いに加え、様々な色や柄、素材の骨覆が登場しているのです。
故人の生前の趣味嗜好を反映した骨覆を選ぶことで、より故人らしさを表現することができます。例えば、音楽をこよなく愛していた故人であれば、音符の刺繍が施された骨覆を選ぶことができます。また、自然を愛し、草花をめでることを好んでいた故人であれば、草花の模様が描かれた骨覆を選ぶことで、故人の穏やかな人柄を偲ぶことができます。その他にも、故人の好きだった色や、故人に縁のある色を取り入れたオリジナルの骨覆を作成することも可能です。
骨覆の素材も多様化しています。絹、綿、麻といった天然素材以外にも、様々な素材から選ぶことができます。それぞれの素材には独特の風合いがあり、季節や地域の風習に合わせて選ぶことも可能です。夏には通気性の良い麻素材、冬には保温性に優れた絹素材といったように、季節感を大切にすることもできます。
骨覆は、故人の最後の身支度を整える大切な品です。故人の思い出を大切に、想いを込めて骨覆を選びましょう。葬儀社に相談すれば、様々な種類の骨覆を紹介してもらえます。故人の人となりや、遺族の想いを伝えれば、きっと希望に合った一品を見つけることができるでしょう。故人らしい、心温まる最後の贈り物となるはずです。
項目 | 詳細 |
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色・柄 | 従来の白、紫、藍色に加え、多様な色や柄が登場。音符、草花など、故人の趣味嗜好を反映したデザインも可能。 |
素材 | 絹、綿、麻などの天然素材に加え、様々な素材から選択可能。季節や地域の風習に合わせた素材選びもできる。 |
その他 | 故人の好きだった色や縁のある色でオリジナル骨覆の作成も可能。葬儀社に相談することで希望に合った骨覆を見つけることができる。 |
骨覆と地域性
骨を納める器である骨覆には、地域によって様々な違いが見られます。地域特有の色や柄、素材、包み方などが存在し、これらは長い歴史の中で受け継がれてきた、その土地ならではの文化と言えるでしょう。
例えば、故人の年齢によって骨覆の色を変える地域もあります。幼くして亡くなった方には白や淡い色の骨覆を用いる一方で、高齢で亡くなった方には落ち着いた色合いの骨覆を使うといった風習も存在します。また、性別によって使い分ける地域もあり、男性には青や黒、女性には赤やピンクといったように、故人の生前の姿を偲ぶ色使いがされています。
骨覆の素材も地域によって様々です。陶磁器や木製のもの、近年では金属製のものも見られます。それぞれの素材には意味合いがあり、例えば陶磁器は故人の魂を清めるという意味が込められています。また、地域によっては、特定の植物の繊維を編んで作られた骨覆など、独自の素材や技法を用いたものもあります。これらの伝統的な素材や技法は、その地域の風土や歴史と深く結びついています。
近年は情報化社会の進展により、全国どこでも同じような葬儀が行われる傾向にあります。インターネットで簡単に情報を得られるようになったことで、地域特有の風習は薄れつつあります。しかし、故人や遺族のルーツ、そして地域に根付いた伝統を尊重することは、葬儀において大切な要素です。
地域の風習について詳しく知りたい場合は、葬儀社に相談することをお勧めします。葬儀社は地域の慣習に精通しており、適切な助言を得ることができます。骨覆の色や柄、素材、包み方など、些細なことでも疑問に思ったことは遠慮なく相談しましょう。故人を敬い、地域に根差した葬儀を行うことで、故人の霊を温かく見送ることができ、遺族にとっても心に残る葬儀となるでしょう。
項目 | 詳細 |
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色 | 年齢(幼少:白・淡い色、高齢:落ち着いた色)、性別(男:青・黒、女:赤・ピンク) |
素材 | 陶磁器(故人の魂を清める)、木製、金属製、植物繊維 |
その他 | 包み方など地域特有の風習あり |
情報化の影響 | 全国均一化の傾向、地域風習は薄れつつある |
相談先 | 地域の慣習に精通した葬儀社 |