手水の儀:葬儀に込めた想い

手水の儀:葬儀に込めた想い

葬式を知りたい

先生、「手水の儀」って神式の葬儀でするって聞きましたけど、どんな意味があるんですか?

お葬式専門家

良い質問だね。手水の儀は、神様や故人に失礼のないように、自分の心身を清めるための儀式なんだ。水で手と口をすすぐことで、穢れを洗い流す意味があるんだよ。

葬式を知りたい

なるほど。手を洗うのはわかるんですけど、どうして口もすすぐんですか?

お葬式専門家

昔の人は、言葉にも穢れが宿ると考えていたからなんだ。だから、口をすすぐことで、言葉の穢れも清めるんだよ。それと、三度に分けて行うのは、それぞれに意味があって、一度目は心を清め、二度目は体を清め、三度目は故人の霊前で失礼のないようにするという意味があるんだよ。

手水の儀とは。

お葬式やお法事の前に、神道で行われる『手水の儀』について説明します。これは、桶に張られた水を使って手と口を清める儀式のことです。この作法は三回に分けて行います。

はじめに

はじめに

人は、いつか必ずこの世を去ります。残された人たちは、深い悲しみの中、故人の冥福を祈って葬儀を行います。葬儀は、故人を弔い、その霊を慰める大切な儀式であり、様々な形で営まれます。神道に基づく神式の葬儀は、仏式の葬儀とは異なる独自の儀式や作法が特徴です。仏式の場合、焼香によって故人に祈りを捧げますが、神式では玉串を捧げます。

神式の葬儀に参列する際、まず行うべきことは「手水の儀」です。これは、神社に参拝する際にも行われる作法で、葬儀に臨むにあたっての心構えを整え、身を清めるという意味が込められています。手水の儀では、柄杓で水を汲み、左手を洗い、次に右手を洗い、そして左手に水を注いで口をすすぎ、最後に柄杓を立てて残った水で柄杓の柄を洗い清めます。この一連の動作は、日常生活の喧騒から離れ、静謐な雰囲気の中、故人に思いを馳せるための心の準備となるのです。

神式の葬儀は、厳かな雰囲気の中で行われます。参列者は、白い平服を着用するのが一般的で、祭壇には故人の霊璽(れいじ)が安置され、榊や樒などの常緑樹、白い菊や白いカーネーションなどの花が供えられます。葬儀の進行は神職によって執り行われ、祝詞の奏上、玉串奉奠、拝礼など、独特の儀式が執り行われます。参列者は、神職の指示に従い、静かに故人の霊を弔います。神式の葬儀は、日本古来の伝統に基づいた荘厳な儀式であり、故人の魂を天へと送る神聖な時間と言えるでしょう。

項目 内容
葬儀の種類 神式、仏式
神式の葬儀の特徴 独自の儀式や作法
玉串を捧げる
手水の儀を行う
白い平服を着用
霊璽(れいじ)を安置
榊、樒、菊、カーネーションなどを供える
神職が進行
祝詞奏上、玉串奉奠、拝礼など
手水の儀 身を清める
心構えを整える
日常生活から離れ、故人に思いを馳せる
参列者の服装 白い平服
祭壇 故人の霊璽(れいじ)
榊、樒などの常緑樹
白い菊、白いカーネーションなどの花

手水の儀とは

手水の儀とは

手水の儀は、神道の葬儀に参列する際に必ず行われる大切な儀式です。神様の前に行く前に、私たちの体と心を清めるという意味が込められています。

私たちは普段の生活の中で、色々な汚れに触れていると考えられています。目に見える汚れだけでなく、心の中に抱える気持ちの汚れも含まれます。葬儀は神聖な儀式のため、清らかな体と心で故人を見送るために、手水の儀を行うのです。

手水の儀は、神社にある手水舎で行う作法とほぼ同じです。まず、柄杓を右手で持ち、水を汲んで左手を清めます。次に柄杓を左手に持ち替え、右手を清めます。再び柄杓を右手に持ち、左手に水をためて口をすすぎます。最後に柄杓を立てて残った水で柄杓の柄を洗い清めます。

手水の儀は、単に手を洗うだけでなく、心の中の穢れも洗い流すという意味があります。静かに水を汲み、手を洗いすすぐことで、気持ちを落ち着かせ、故人に祈りを捧げる準備を整えることができるのです。

神道の教えでは、水には清めの力があると信じられています。手水の儀を行うことで、私たちは心身ともに清まり、故人の霊前で敬意を表し、冥福を祈ることができるようになります。清々しい気持ちで葬儀に臨むためにも、手水の儀は大切な意味を持つのです。

儀式 目的 意味 手順
手水の儀 体と心を清める 心の中の穢れも洗い流し、気持ちを落ち着かせ、故人に祈りを捧げる準備を整える 1. 柄杓を右手で持ち、水を汲んで左手を清める
2. 柄杓を左手に持ち替え、右手を清める
3. 再び柄杓を右手に持ち、左手に水をためて口をすすぐ
4. 最後に柄杓を立てて残った水で柄杓の柄を洗い清める

作法と手順

作法と手順

葬儀や法事には、古くから伝わる様々な作法や手順が存在します。これらは、故人への敬意を表すためだけでなく、参列者同士が秩序を保ち、円滑に式を進めるためにも重要なものです。中でも、手水の儀は清めの儀式として広く行われており、その作法と手順を正しく理解しておくことは大切です。

手水の儀は、柄杓を使って水を汲み、左手を清めることから始まります。右手に柄杓を持ち、水を汲み上げたら、左手に水をかけ清めます。この時、水をこぼさないように注意しましょう。次に、柄杓を左手に持ち替え、右手を清めます。左手に持った柄杓で水を汲み、右手に水をかけます。左右の手を清めた後は、再び右手に柄杓を持ち、左の手のひらに水を少量注ぎます。この水で口をすすぎ、静かに吐き出します。直接柄杓に口をつけることは避け、手で水を口に運びましょう。最後に、柄杓を立てて柄に水を流します。これは、自分が使用した柄杓を清めるという意味が込められています。

手水の儀は、これらの動作を三度に分けて行うのが一般的です。一度目は心身を清め、二度目は故人の霊を慰め、三度目は感謝の気持ちを込めて行います。一つ一つの動作には意味があり、敬意と感謝の心を込めて行うことで、より深い意味を持つ儀式となるでしょう。式場によっては、手水の作法が異なる場合もありますので、迷った場合は、神職や葬儀社の担当者の指示に従うようにしましょう。作法をきちんと守ることで、故人や遺族、そして他の参列者に対する敬意を表すことができます。

手順 動作 意味
1 柄杓を右手に持ち、水を汲み左手に水を掛ける 左手を清める
2 柄杓を左手に持ち替え、水を汲み右手に水を掛ける 右手を清める
3 再び柄杓を右手に持ち、左の手のひらに水を少量注ぎ、口をすすぎ、静かに吐き出す 口を清める
4 柄杓を立てて柄に水を流す 柄杓を清める
回数 上記1〜4を3回繰り返す 1回目:心身を清める
2回目:故人の霊を慰める
3回目:感謝の気持ちを表す
その他 ・直接柄杓に口をつけない
・式場によって作法が異なる場合があるため、迷った場合は神職や葬儀社の担当者の指示に従う

作法に込められた意味

作法に込められた意味

葬儀は、故人の霊を弔い、冥福を祈る厳粛な儀式です。その場にふさわしい服装や言動、作法を心がけることは、故人への敬意を表すだけでなく、遺族の方々への思いやりにもつながります。数ある葬儀の作法の中でも、手水の儀は心身を清める大切な意味を持つものです。

古来より、水には穢れを洗い流す力があると信じられてきました。葬儀に参列する前に手水を行うことで、日常生活で知らず知らずのうちに身についた塵や埃、心の穢れを落とすことができます。これは、神聖な場である葬儀に臨むための準備として、心身を清浄な状態にするという意味が込められています。

また、手水は神様への敬意を表す意味合いも含まれています。神社仏閣で参拝する前に行う手水と同じように、葬儀場という神聖な場所に入る前に手水を行うことで、神様への敬意を示すことができます。清浄な心で故人を見送ることで、故人の霊も安らかにあの世へと旅立つことができると考えられています。

手水の儀は、単なる形式的な作法ではありません。故人にこれまでの感謝の気持ちを表し、冥福を祈る心を込めて行うことで、心の平静を取り戻し、葬儀という厳粛な場に向き合う準備ができます。それぞれの作法に込められた意味を理解し、心を込めて行うことが大切です。故人との最後の別れに際し、感謝の思いを込めて見送ることで、きっと故人の霊も安らかな気持ちで旅立つことができるでしょう。

手水の儀の目的 意味合い
故人の霊を弔い、冥福を祈る 故人への敬意と遺族への思いやり
心身を清める 塵や埃、心の穢れを落とし、清浄な状態にする
神様への敬意を表す 神聖な場所に入る前の礼儀
心の平静を取り戻す 厳粛な場に向き合う準備
感謝の思いを込めて見送る 故人が安らかに旅立つことを祈る

まとめ

まとめ

神道の葬儀において、手水の儀は大切な儀式の一つです。これは、神様や故人に会う前に、水を使って身を清め、心を整えるという意味が込められています。古来より、水は清めの象徴とされ、穢れを洗い流すと信じられてきました。手水の儀を行うことで、私たちは俗世の塵を落とし、神聖な場へ入る準備をするのです。

具体的な作法としては、まず右手で柄杓を持ち、水を汲んで左手を清めます。次に左手に柄杓を持ち替えて、右手を清めます。再び右手に柄杓を持ち、左手に水を溜めて口をすすぎます。音を立ててすすぐのは避け、静かに清めます。最後に柄杓を立てて残った水で柄杓の柄を洗い清めます。これらの動作一つ一つに意味があり、故人への敬意と追悼の念が込められています。

葬儀に参列する際には、作法を正しく理解し、心を込めて手水の儀を行うことが大切です。単なる形式的な行為ではなく、故人の霊前に向かうための心構えとして、静かに、そして丁寧に行いましょう。それぞれの作法に込められた意味を知ることで、神道の葬儀への理解も深まり、より厳粛な気持ちで故人を見送ることができるでしょう。

手水の儀は、私たちが故人と向き合い、最後の別れを告げるための大切な一歩です。清らかな心で故人の冥福を祈り、安らかな旅立ちを願う大切な時間となるでしょう。

手順 説明 意味
1. 右手で柄杓を持ち、水を汲んで左手を清める 柄杓で水を汲み、左手に水を掛けて清める 身を清める
2. 左手に柄杓を持ち替えて、右手を清める 柄杓を持ち替え、右手に水を掛けて清める 身を清める
3. 再び右手に柄杓を持ち、左手に水を溜めて口をすすぐ 左手に水を溜め、口をすすぐ(音を立てない) 身を清める
4. 柄杓を立てて残った水で柄杓の柄を洗い清める 柄杓の柄に水を掛けて清める 用いた道具を清める

他の宗教との違い

他の宗教との違い

葬儀は、故人の霊を弔い、冥福を祈るための儀式であり、宗教や宗派によって様々な作法が存在します。仏式では、焼香が重要な儀式のひとつです。香を焚き、その香りを故人に捧げることで、故人の霊を慰め、あの世での安らぎを祈ります。一方、キリスト教式では、献花が中心的な儀式となります。祭壇に花を供え、祈りを捧げることで、故人の霊が天国へ導かれるよう祈ります

このように、仏式では香を、キリスト教式では花を用いるなど、それぞれの宗教観に基づいた作法が大切にされています。例えば神道では、水による清めを重視します。葬儀に参列する際には、入口で手水を行い、身を清めてから式に臨みます。これは、水によって穢れを洗い流し、清浄な心で故人を弔うという意味が込められています。

宗教によって用いるものや儀式は異なりますが、故人への敬意と追悼の心を表すという目的は共通しています。それぞれの宗教の持つ意味や作法を理解し、故人の霊を弔うとともに、遺族の気持ちに寄り添うことが大切です。葬儀に参列する際は、それぞれの宗教の作法を事前に調べておくことで、失礼のないように参列することができます。異なる宗教の葬儀に参列する機会があれば、その宗教の作法を尊重し、故人への祈りを捧げることが大切です。故人を偲び、遺族を支える心を持ち、厳粛な気持ちで葬儀に臨みましょう。

宗教 主な儀式 意味
仏教 焼香 香を焚き、故人の霊を慰め、あの世での安らぎを祈る
キリスト教 献花 祭壇に花を供え、祈りを捧げ、故人の霊が天国へ導かれるよう祈る
神道 手水 水によって穢れを洗い流し、清浄な心で故人を弔う