葬儀・法事での言葉遣い:忌み言葉

葬儀・法事での言葉遣い:忌み言葉

葬式を知りたい

先生、「忌み言葉」って、結婚式で『切れる』とか『別れる』みたいな言葉を使っちゃいけないっていうのはなんとなくわかるんですけど、どうして『重ね重ね』とか『流れる』もダメなんですか?

お葬式専門家

いい質問だね。『重ね重ね』は不幸が重なることを、『流れる』は物事がうまくいかなくなることを連想させるから、おめでたい席では使わない方がいいとされているんだよ。

葬式を知りたい

なるほど…なんとなく悪いイメージがある言葉は避けるってことですね。葬式でも忌み言葉ってあるんですか?

お葬式専門家

そうだよ。例えば、葬式では『重ね重ねお悔やみ申し上げます』とは言わず『心からお悔やみ申し上げます』と言うのが一般的だね。状況によって適切な言葉を選ぶことが大切なんだよ。

忌み言葉とは。

お葬式や法事などで使うべきではない言葉「忌み言葉」について説明します。忌み言葉とは、その場で使うのは不適切な言葉、言い換えた方が良い言葉、そして縁起が悪いことを連想させる言葉のことです。例えば、婚約や結婚式では、「切れる」「終わる」「離れる」「別れる」「破れる」「出る」「出す」「戻る」「去る」「帰る」「滅びる」「再び」「繰り返し」「重ね重ね」「流れる」「散る」「しめやかに」といった言葉は忌み言葉です。これ以外にも、不吉なイメージや、夫婦の別れや再婚を思わせる言葉は、絶対に避けるべきです。

はじめに

はじめに

葬儀や法事は、大切な方を亡くされたご遺族の悲しみに寄り添い、故人の冥福を祈る神聖な儀式です。参列する私たちは、故人への敬意とご遺族への配慮を第一に、心を込めて故人を見送る必要があります。そのためには、服装や持ち物だけでなく、場の雰囲気を重んじた適切な言葉遣いも非常に大切です。

葬儀や法事の場では、普段何気なく使っている言葉でも、ご遺族の心に思いがけず深い傷を負わせてしまう可能性があります。例えば、「重ね重ね」や「再び」といった言葉は、不幸が繰り返されることを連想させるため、「忌み言葉」と呼ばれ、使用を避けるべきとされています。また、「死亡」や「死ぬ」といった直接的な表現も避け、「亡くなる」「ご逝去される」といった婉曲的な表現を用いるのが一般的です。さらに、不幸を連想させる数字の「四」や「九」も、「死」や「苦」を想起させるため、香典の金額や供物の数に用いないよう注意が必要です。

こうした言葉遣いは、古くからの言い伝えに基づくものもあれば、近年になって広まったものもあります。時代の変化とともに、言葉の捉えられ方も変わりますが、ご遺族の気持ちを最優先に考えることが最も大切です。葬儀や法事という特別な場では、伝統的な慣習やマナーを尊重し、慎重な言葉遣いを心がけることで、ご遺族に寄り添い、故人の冥福を心から祈ることができます。落ち着いた雰囲気の中で、故人の霊前で静かに手を合わせ、故人のこれまでの歩みを偲び、安らかな眠りを祈る。それが、葬儀や法事に参列する私たちの大切な役割です。

ポイント 詳細 理由
故人への敬意とご遺族への配慮 服装、持ち物、言葉遣いに注意する 故人を悼み、遺族の悲しみに寄り添うため
忌み言葉の使用を避ける 「重ね重ね」「再び」「死亡」「死ぬ」「四」「九」など 不幸を連想させ、遺族を傷つける可能性があるため
婉曲的な表現を用いる 「亡くなる」「ご逝去される」など 直接的な表現は避け、配慮を示すため
伝統的な慣習やマナーを尊重 香典の金額や供物の数にも注意する ご遺族の気持ちを最優先に考え、落ち着いた雰囲気を作るため

忌み言葉とは

忌み言葉とは

葬儀や法事といった大切な儀式では、故人を偲び、遺族を慰める場として、ふさわしい言葉を選ぶことが重要です。その際に注意すべき点の一つとして、「忌み言葉」があります。忌み言葉とは、不幸な出来事を連想させたり、繰り返すことを暗示する言葉で、これらの場では使用を避けるべきとされています。

忌み言葉を使うことは、遺族の悲しみをさらに深くする可能性があります。例えば、「重ね重ね」という言葉は、不幸が繰り返されることを暗示するため、弔いの場では不適切です。また、「再び」や「戻る」といった言葉も、故人の死という現実から目を背け、再び生きて戻ってくることを願う気持ちを表すため、タブーとされています。

別れを意味する言葉も、忌み言葉として扱われます。「別れる」「切れる」「離れる」などは、故人との永遠の別れを強調することになり、遺族の心に深い傷を負わせてしまうかもしれません。これらの言葉は、日常生活では何気なく使われることもありますが、葬儀や法事の場では特に配慮が必要です。

故人の死は、遺族にとって非常に辛い出来事です。参列者は、故人や遺族への思いやりを忘れず、言葉遣いに注意することが大切です。温かい言葉をかける、静かに故人の冥福を祈るなど、参列者一人ひとりの心遣いが、遺族の心を支える力となります。

葬儀や法事では、マナーや作法に気を配るだけでなく、言葉にも配慮することで、故人を敬い、遺族を慰めることができます。そのためにも、忌み言葉について理解を深め、適切な言葉を選ぶように心がけましょう。

分類 忌み言葉 理由
繰り返しを暗示する言葉 重ね重ね 不幸が繰り返されることを暗示するため
復活を願う言葉 再び、戻る 故人の死という現実から目を背け、再び生きて戻ってくることを願う気持ちを表現するため
別れを意味する言葉 別れる、切れる、離れる 故人との永遠の別れを強調し、遺族の心に深い傷を負わせる可能性があるため

忌み言葉の具体例

忌み言葉の具体例

葬儀や法事といった厳粛な場では、うっかりと使ってしまいがちな言葉があります。これらを忌み言葉といい、不幸が重なることを連想させる言葉や、故人の死を直接的に表現する言葉などが含まれます。例えば、お香典を渡す場面を考えてみましょう。お悔やみの気持ちを伝える際に「重ね重ねお悔やみ申し上げます」とつい言ってしまいがちですが、「重ね重ね」という言葉は繰り返すことを意味するため、不幸が繰り返すことを暗示してしまうため、使用は避けるべきです。同じようにお悔やみの言葉として「たびたびお悔やみ申し上げます」も「たびたび」が繰り返す意味を持つため、同様に忌み言葉となります。

故人の冥福を祈る際にも注意が必要です。「再びお会いできる日まで」という言葉は一見何気ない挨拶のようですが、「再び」という言葉が死と再生を繰り返すことを暗示するため、不適切とされています。また、別れ際に「またすぐに来ます」と挨拶することもよくありますが、これも「また」が繰り返す意味を持つため、避けるべきです。同じように「これからもよろしくお願いします」といった言葉も、今後の付き合いを前提とした表現であるため、葬儀の場ではふさわしくないとされています。

数字にも注意が必要です。「四」や「九」はそれぞれ「死」「苦」を連想させるため、お供え物の個数などを決める際に避けるべきです。例えば、お菓子を四個ずつお供えする、といったことは避けるのが無難です。

これらの例以外にも、状況に応じて様々な忌み言葉が存在します。葬儀や法事は故人を偲び、遺族を慰める場です。そのため、言葉遣いには十分に気を配り、故人や遺族に配慮した行動を心がけることが大切です。事前に忌み言葉について調べておくことで、より適切な対応ができるでしょう。

シーン 忌み言葉 理由
お悔やみの言葉 重ね重ね
たびたび
不幸の繰り返しを連想させる
故人の冥福を祈る 再びお会いできる日まで 死と再生の繰り返しを連想させる
別れ際 またすぐに来ます
これからもよろしくお願いします
「また」が繰り返す意味を持つため
今後の付き合いを前提とした表現は不適切
お供え物 四、九 「死」「苦」を連想させる

言い換え表現

言い換え表現

葬儀や法事の場では、不適切な言葉遣いを避けることが大切です。特に、不幸が重なることを連想させる「忌み言葉」は使わないように気を付けなければなりません。例えば、「重ね重ね」という言葉は、不幸が繰り返されることを暗示するため、弔いの場ではふさわしくありません。同じ意味を伝える際にも、「心より」のように、より穏やかな表現を用いるべきです。

同様に、「再び」や「また」といった言葉も、繰り返されることを想起させるため、避けるべきです。これらの言葉の代わりに、「いつか」や「近いうちに」といった表現を使うことで、未来への希望を込めた前向きな印象を与えられます。

故人の死を直接的に表現する言葉も、婉曲的な言い回しに変える必要があります。「亡くなる」という言葉は、直接的でやや生々しい印象を与えてしまうため、「お亡くなりになる」や「ご逝去される」といった、より丁寧で敬意のこもった表現を使う方が適切です。また、「ご存命であれば九十歳」のように、故人が生きていれば何歳であったかという言い方も、故人の生きた証を偲び、敬意を表す表現として用いられます。

このように、状況に応じて適切な言い換え表現を用いることで、故人や遺族に対する思いやりを示すことができます。葬儀や法事の場では、言葉遣い一つで相手に与える印象が大きく変わります。相手を思いやる気持ちを忘れずに、適切な言葉を選んで使うように心がけましょう。

不適切な言葉 適切な言葉 理由・ポイント
重ね重ね 心より 不幸が繰り返されることを連想させる「忌み言葉」を避ける。
再び、また いつか、近いうちに 繰り返されることを想起させる言葉を避け、未来への希望を込めた前向きな印象を与える。
亡くなる お亡くなりになる、ご逝去される 死を直接的に表現する言葉を避け、婉曲的な言い回しを用いる。丁寧で敬意のこもった表現を使う。
(例)90歳(享年) ご存命であれば90歳 故人の生きた証を偲び、敬意を表す。

言葉遣い以外の注意点

言葉遣い以外の注意点

葬儀や法事といった大切な儀式には、ふさわしい言葉を選ぶこと以外にも、いくつか注意すべき点があります。 服装、香典、焼香、数珠など、様々な場面で礼儀作法が求められます。故人やご遺族への敬意を表し、つつしんで儀式に参列するためにも、これらのマナーを覚えておきましょう。

まず、服装は黒や紺、濃い灰色など、落ち着いた色合いのものを選びましょう。 光沢のある素材や華美な装飾は避け、地味な装いを心がけることが大切です。派手な色のアクセサリーやバッグも控えましょう。男性は黒のネクタイ、女性は黒のストッキングを着用するのが一般的です。

次に、香典ですが、これは故人の霊前に供える金品のことで、金額や渡し方にはある程度の決まりがあります。 包み方は、濃い色の無地のふくさに包み、受付でお渡しします。表書きは、通夜の場合は「御霊前」、葬儀・告別式の場合は「御香典」、法事の場合は「御仏前」などと書きます。金額は故人との関係性や地域によって異なりますので、不安な場合は事前に相談するか、周りの人に合わせるようにしましょう。

焼香の作法も大切です。焼香の回数は宗派によって異なりますが、一般的には数回に分けて行います。 立って焼香を行う場合は、遺影に向かって一礼し、香をつまんで額のあたりまで掲げてから香炉にくべます。座って行う場合は、額まで掲げる必要はありません。周りの人の作法をよく見て、合わせるようにしましょう。

数珠は、仏教徒にとって大切な法具です。 葬儀や法事には必ず持参し、左手にかけ、合掌する際に両手にかけて用います。宗派によって形や房の色が異なる場合があるため、自分の宗派に合った数珠を使用するのが望ましいです。数珠の房をこすり合わせたり、音を立てたりすることは避け、丁寧に取り扱いましょう。

これらのマナーを守ることは、故人を偲び、遺族を弔う気持ちを表す大切な行動です。 厳かな儀式の中で、参列者一人ひとりの心遣いが、故人の安らかな旅立ちを支えていると言えるでしょう。

項目 注意点
服装 黒、紺、濃い灰色など落ち着いた色合いの服を選ぶ。光沢のある素材や華美な装飾は避ける。派手な色のアクセサリーやバッグも控える。男性は黒のネクタイ、女性は黒のストッキングを着用。
香典 金額や渡し方に決まりがある。濃い色の無地のふくさに包み、受付で渡す。表書きは、通夜の場合は「御霊前」、葬儀・告別式の場合は「御香典」、法事の場合は「御仏前」など。金額は故人との関係性や地域によって異なる。
焼香 回数は宗派によって異なる。一般的には数回に分けて行う。立って行う場合は、遺影に向かって一礼し、香をつまんで額のあたりまで掲げてから香炉にくべる。座って行う場合は、額まで掲げる必要はない。周りの人に合わせる。
数珠 仏教徒にとって大切な法具。葬儀や法事には必ず持参し、左手にかけ、合掌する際に両手にかける。宗派によって形や房の色が異なる場合があるため、自分の宗派に合った数珠を使用する。房をこすり合わせたり、音を立てたりしない。

まとめ

まとめ

葬儀や法事は、亡くなった方の霊を慰め、その冥福を祈るための大切な儀式です。同時に、深い悲しみの中にいる遺族を支え、励ます場でもあります。参列する私たちは、故人の霊前で、故人の生前のご活躍を偲び、感謝の気持ちを表すとともに、遺族の方々にお悔やみの言葉を伝えることが大切です。

そのためには、故人や遺族の方々への思いやりを込めた適切な言葉遣いを心がける必要があります。葬儀や法事の場では、不幸が続くことを連想させる「重ね重ね」「再び」といった言葉や、死を直接的に表現する言葉は「忌み言葉」として避けられます。これらの言葉を用いると、遺族の悲しみをさらに深くしてしまう可能性があるからです。忌み言葉を知り、適切な言い換え表現を用いることで、遺族の方々への配慮を示すことができます。例えば、「重ね重ねお悔やみ申し上げます」ではなく「心よりお悔やみ申し上げます」と言い換えるなど、状況に応じて適切な表現を選ぶようにしましょう。

言葉遣い以外にも、葬儀や法事に参列する際には、様々なマナーに気を配る必要があります。服装は、黒や紺、濃いグレーなど落ち着いた色の平服で、華美な装飾は避け、故人を偲ぶ場にふさわしい控えめな装いを心がけましょう。香典は、袱紗に包んで持参し、受付で渡す際には袱紗から出して両手で差し出します。焼香の作法も宗派によって異なるため、事前に確認しておくことが望ましいです。数珠は、自分の宗派のものを使用し、葬儀中は静かに合掌し、故人の冥福を祈ります。

葬儀や法事は、厳粛な雰囲気の中で行われる儀式です。参列者一人ひとりがマナーを理解し、行動することで、故人を偲び、遺族を支えることに繋がります。周囲への配慮を忘れず、故人との最後の別れを惜しみ、遺族に寄り添う気持ちで参列することが大切です。

まとめ