葬儀における玉串の意味と作法

葬儀における玉串の意味と作法

葬式を知りたい

先生、玉串について教えてください。神道の儀式で使う木の枝に飾りをつけるんですよね?

お葬式専門家

そうだね。よく知っているね。榊の枝を使うことが多いかな。稲妻のような紙垂や木綿、麻などを結ぶんだよ。葬式でも使うんだよ。

葬式を知りたい

葬式でも使うんですか?どういう意味があるんですか?

お葬式専門家

玉串の『玉』は魂という意味もあるんだよ。玉串を奉奠することは、仏教の焼香のような意味合いがあって、故人の霊を送るという意味があるんだ。

玉串とは。

お葬式や法事などで見かける「玉串」について説明します。玉串とは、神道の儀式で使う、木の枝に飾り付けをしたものです。ふつうはサカキの枝に、雷のような形をした紙垂(しで)や木綿、麻などを結びつけて作ります。「玉串」の「玉」には魂という意味があり、出雲大社では、枝に串を刺すことで神様と人の魂を一つに結ぶのだと考えられています。神道のお葬式でも玉串は使われます。玉串奉奠(ほうてん)や玉串奉納と呼ばれる儀式は、仏教のお焼香のような意味合いを持っています。

玉串とは何か

玉串とは何か

玉串とは、神道の儀式において神前に捧げる神聖な供え物です。青々とした榊などの木の枝に、紙垂(しで)や木綿(ゆう)、麻(あさ)などを飾り付けて作られます。神と人とをつなぐ大切な役割を持つ玉串は、葬儀や結婚式など、人生の節目となる様々な儀式で用いられています。

玉串の「玉」は、私たちの魂を象徴しています。そして「串」は、文字通り神様と私たち人間をつなぎ合わせるものという意味が込められています。つまり、神前に玉串を捧げるという行為は、自らの魂を神様に捧げ、神様との繋がりをより一層深めるという意味を持っているのです。

古来より、日本人は山や川、木々などの自然の中に神様の存在を感じ、感謝の気持ちを捧げてきました。玉串に用いられる榊などの常緑樹は、生命力の象徴とされています。これらは、自然の恵みに感謝し、神様への畏敬の念を表すために捧げられてきました。

玉串を捧げる際には、二礼二拍手一礼という作法が一般的です。まず、玉串を受け取ったら、右手を下、左手を上にして持ちます。そして、祭壇の前に進み出て、深く二回お辞儀をします。次に、二回拍手し、最後に一回深くお辞儀をします。その後、玉串を時計回りに回転させて、根元を神様の方に向けて祭壇に供えます。この一連の動作には、神様への敬意と感謝の気持ちが込められているのです。

このように、玉串は単なる飾り物ではなく、日本人の精神性を象徴する大切な存在です。自然への感謝と神様への畏敬の念が込められた玉串は、私たちと神様との繋がりを深め、心の平穏をもたらしてくれるものと言えるでしょう。

玉串とは 神道の儀式で神前に捧げる神聖な供え物。榊などの木の枝に紙垂、木綿、麻などを飾り付ける。
玉串の意味 「玉」は人の魂、「串」は神と人をつなぎ合わせるもの。玉串を捧げることで魂を神に捧げ、神との繋がりを深める。
玉串の素材 榊などの常緑樹。生命力の象徴であり、自然の恵みに感謝し、神への畏敬の念を表す。
玉串の捧げ方 二礼二拍手一礼。右手を下、左手を上にして玉串を持ち、祭壇の前で二回お辞儀、二回拍手、一回お辞儀。玉串を時計回りに回し、根元を神様に向けて祭壇に供える。
玉串の意義 日本人の精神性を象徴する存在。自然への感謝と神への畏敬の念が込められ、神との繋がりを深め、心の平穏をもたらす。

葬儀における玉串の役割

葬儀における玉串の役割

神道の葬儀、すなわち神葬祭において、玉串は故人の御霊(みたま)をあの世へとお送りするための大切な役割を担っています。玉串とは、榊(さかき)の枝に紙垂(しで)と呼ばれる白い紙を挟んだもので、神様への捧げ物として用いられます。神葬祭では、この玉串を用いた玉串奉奠(たまぐしほうてん)という儀式が行われます。

玉串奉奠は、仏式の葬儀における焼香に似た意味合いを持つ儀式です。参列者たちは一人ずつ祭壇の前に進み出て、二拝二拍手一拝の作法に則り、玉串を神前に捧げます。この一連の動作を通して、参列者は故人の冥福を祈り、最後の別れを告げます。玉串を捧げる際には、故人と共に過ごした日々を偲び、感謝の気持ちと安らかに眠ってほしいという願いを込めて、心を込めて行うことが大切です。

玉串奉奠は、単なる儀式的な行為ではありません。それは、故人の霊を慰め、あの世へと送り出すための神聖な行為なのです。参列者一人ひとりが玉串を捧げることで、故人の御霊は安らかにあの世へと旅立つことができると信じられています。また、玉串奉奠は、残された人々にとっても大切な時間です。故人の思い出を語り合い、共有することで、悲しみを分かち合い、共に乗り越えていく力となるのです。玉串という一つの捧げ物を通して、故人と生きた人々との繋がりを再確認し、未来へと進んでいくための儀式と言えるでしょう。

項目 説明
玉串の役割 故人の御霊(みたま)をあの世へとお送りするため。神様への捧げ物。
玉串の構成 榊(さかき)の枝に紙垂(しで)と呼ばれる白い紙を挟んだもの
玉串奉奠(たまぐしほうてん) 仏式の葬儀における焼香に似た意味合いの儀式。参列者たちは一人ずつ祭壇の前に進み出て、二拝二拍手一拝の作法に則り、玉串を神前に捧げる。
玉串奉奠の意味
  • 故人の冥福を祈り、最後の別れを告げる
  • 故人と共に過ごした日々を偲び、感謝の気持ちと安らかに眠ってほしいという願いを込めて行う
  • 故人の霊を慰め、あの世へと送り出す神聖な行為
  • 残された人々にとっても大切な時間
  • 故人の思い出を語り合い、共有することで、悲しみを分かち合い、共に乗り越えていく力となる
玉串奉奠の効果 故人の御霊は安らかにあの世へと旅立つことができると信じられている。

玉串の作り方

玉串の作り方

玉串とは、神様に捧げる神聖な供え物であり、葬儀や法事でも用いられます。青々とした榊の枝に、紙垂や木綿、麻などを飾り付けて作ります。

榊は一年を通して緑の葉を茂らせる常緑樹です。その変わらぬ緑の姿から、強い生命力の象徴とされ、古くから神聖な木として大切にされてきました。葬儀や法事で用いる玉串には、この榊を使うことが一般的です。

紙垂は、和紙を稲妻のような独特の形に折ったものです。古来より、稲妻は神様の力が地上に降りてきた印だと考えられていました。そのため、紙垂は神聖な場所を示す印として、玉串に欠かせないものとなっています。白い紙を用いることが多く、その白さも神聖さの象徴です。

木綿や麻も、神聖なものを清める力を持つと信じられてきました。これらの素材は、古くから神事に関わる衣装などにも用いられてきました。玉串に木綿や麻を添えることで、より一層の清浄さが加わります。

最近では、葬儀場などで既に用意された玉串を使うことがほとんどです。しかし、地域によっては、自ら玉串を作る場合もあります。その際には、榊、紙垂、木綿、麻、それぞれの素材が持つ意味を理解し、心を込めて丁寧に作ることが大切です。玉串を捧げる際には、左手に持ち、時計回りに90度回転させて、葉先を祭壇に向けます。これは、神様への敬意を表す作法です。玉串を捧げることで、故人の霊を慰め、冥福を祈ります。

玉串の構成要素 意味
一年中緑の葉を茂らせる常緑樹。強い生命力の象徴であり、神聖な木。
紙垂 和紙を稲妻のような形に折ったもの。神様の力の象徴であり、神聖な場所を示す印。白い色は神聖さの象徴。
木綿/麻 神聖なものを清める力を持つと信じられている素材。清浄さを加える。

玉串の捧げ方

玉串の捧げ方

神道における葬儀、告別式で故人に最後のお別れを告げる際に用いる玉串。その捧げ方には、深い意味が込められた所作が存在します。まず、祭壇の前に進み出たら、神職もしくは係の方から玉串を受け取ります。この時、右手で玉串の根元を持ち、左手で葉先を支えるようにしましょう。玉串は神様への捧げ物であり、大切に扱う心を込めて受け取ることが大切です。

次に、玉串を時計回りに少し回転させます。これは、玉串の葉先を神前に向けるためです。神様へ捧げるという意味が込められていますので、丁寧に行いましょう。この時、回転させる角度は90度程度を目安とします。

玉串を捧げ持ったまま、深く頭を下げ二拝します。二拝とは、二回頭を下げることを指します。その後、二拍手を行います。柏手を打つように、両手を胸の前で合わせ、音を立てて二回打ち鳴らします。神様への感謝と祈りを込めて、心を込めて拍手を打ちましょう。再び一拝し、深く頭を下げて祈りを捧げます。二拝二拍手一拝は、神道における基本的な作法であり、神様への敬意を表す大切な儀式です。故人の霊前においては、故人の冥福を祈る意味も含まれます。

一連の作法が済んだら、静かに一歩後退し、深く一礼してから席に戻ります。初めて神式の葬儀に参列する際は、分からないことも多いかと思います。周りの方の作法を参考にしたり、葬儀社の担当者に尋ねることで、安心して参列することができます。玉串の捧げ方は、故人への弔意を表す大切な儀式です。作法を正しく理解し、心を込めて行うようにしましょう。

手順 動作 意味
1 玉串の受け取り 右手で根元、左手で葉先を持つ
2 玉串を回転 葉先を神前に向ける(時計回りに90度程度)
3 二拝 深く頭を下げて二回礼をする
4 二拍手 両手を胸の前で合わせ、音を立てて二回打つ
5 一拝 深く頭を下げて一回礼をする
6 後退と一礼 一歩後退し、深く一礼
7 着席 静かに席に戻る

玉串に込められた想い

玉串に込められた想い

玉串とは、榊の枝葉に紙垂をつけたもので、神道における神への捧げものです。葬儀においては、故人の霊前に捧げることで、私たちの祈りを届ける役割を果たします。この玉串を捧げる行為は、単なる儀式的なものではなく、故人への感謝、惜別、そして冥福を祈る大切な機会です。

青々とした榊は、永遠の命を象徴しています。故人がこの世を去っても、その魂は永遠に生き続けるという願いが込められています。また、紙垂は、清浄を表す神聖なもので、私たちの心を清めて、故人に祈りを届けるという意味があります。玉串を捧げる際には、二礼二拍手一礼という作法を行います。これは、神への敬意を表すための作法であり、同時に、私たちの心を落ち着かせ、故人への想いを集中させる効果もあります。

玉串料と呼ばれる金銭を包む風習がありますが、これは神への感謝の気持ちを表すものです。金額に決まりはありませんが、一般的には三千円から一万円程度が相場とされています。玉串料は、受付で袱紗に包んで渡します。

神式の葬儀に参列する際には、玉串の持つ意味を理解し、心を込めて捧げることが大切です。故人の霊前で、感謝の気持ち、別れを惜しむ気持ち、そして安らかに眠ってほしいという願いを込めて、玉串を捧げましょう。そうすることで、故人との繋がりを改めて感じ、その存在の大きさを再認識することができます。そして、故人の霊もきっと安らぎ、穏やかな気持ちで次の世界へと旅立つことができるでしょう。玉串は、日本人の精神性と、故人を敬う心を象徴する、大切な存在なのです。

項目 説明
玉串 榊の枝葉に紙垂をつけたもの。神道における神への捧げ物であり、葬儀では故人の霊前に捧げる。
玉串を捧げる意味 故人への感謝、惜別、冥福を祈る。
永遠の命を象徴。
紙垂 清浄を表す神聖なもの。心を清めて故人に祈りを届ける意味を持つ。
作法 二礼二拍手一礼
玉串料 神への感謝の気持ちを表す金銭。金額に決まりはなく、一般的には三千円から一万円程度。
玉串料の渡し方 受付で袱紗に包んで渡す。

まとめ

まとめ

神道の葬儀において、玉串は故人への弔意を表す神聖な供え物であり、儀式の中核を成す重要なものです。玉串とは、榊の枝に紙垂や木綿などを飾り付けたもので、これを通じて私たちの祈りを神に伝えるとされています。神道では、榊は神聖な木として崇められており、その常緑の葉は永遠の命を象徴しています。玉串を捧げる行為は、仏式の焼香に相当し、故人との最後の別れを告げ、冥福を祈る大切な儀式「玉串奉奠」で行われます。

玉串奉奠では、まず祭壇の前に進み出て一礼します。次に、玉串の根元を右手で持ち、葉先を左手で支えます。この時、右手は上から、左手は下から支えるように持つのが正しい作法です。そして、玉串を時計回りに90度回転させ、葉先を神前に向けて祭壇に捧げます。その後、二拝二拍手一拝の作法を行います。二拝は深く二回頭を下げることで、二拍手は両手を打ち鳴らすことで、一拝は最後にもう一度深く頭を下げることで、それぞれ敬意を表します。

玉串を捧げる際には、作法を正しく行うだけでなく、故人への感謝と祈りを込めて心を込めて行うことが大切です。故人との思い出を偲び、冥福を心から祈ることで、玉串奉奠はより深い意味を持ちます。玉串を通じて、私たちは故人との繋がりを再確認し、その存在の大きさを改めて感じることができます。神式の葬儀に参列する際には、玉串に込められた深い意味を理解し、敬意を持って儀式に臨みましょう。玉串は、単なる供え物ではなく、故人への想いを神に伝えるための大切な架け橋と言えるでしょう。

項目 内容
玉串とは 榊の枝に紙垂や木綿などを飾り付けたもの。神への祈りを伝えるための神聖な供え物。
榊の意味 神聖な木。常緑の葉は永遠の命を象徴する。
玉串奉奠 仏式の焼香に相当する神道の儀式。故人との最後の別れを告げ、冥福を祈る。
玉串の持ち方 根元を右手(上から)、葉先を左手(下から)で支える。
玉串の捧げ方 1. 祭壇前に進み出て一礼
2. 玉串を時計回りに90度回転
3. 葉先を神前に向けて祭壇に捧げる
4. 二拝二拍手一拝
玉串奉奠の意義 作法だけでなく、故人への感謝と祈りを込めて行うことが大切。故人との繋がりを再確認し、その存在の大きさを改めて感じる機会。