真宗高田派について

真宗高田派について

真宗高田派のあらまし

浄土真宗の一派である真宗高田派は、親鸞聖人の教えを大切に受け継いでいます。親鸞聖人は、どんな人も阿弥陀如来の本願力によって必ず救われると説きました。この教えは、私たちに大きな安らぎと希望を与えてくれます。真宗高田派では、阿弥陀如来の本願を信じ、心から念仏を称えることが大切だと教えています。念仏を称えることで、私たちは阿弥陀如来の救済の働きとつながり、迷いのない人生を送ることができるとされています。

栃木県にある専修寺は、真宗高田派の総本山です。このお寺の本尊は、一光三尊像という大変貴重な仏像です。この仏像は、長野県にある善光寺の秘仏、一光三尊阿弥陀如来を模して作られたもので、中央に阿弥陀如来、その左右に観音菩薩と勢至菩薩が並んでおられます。三体の仏様が放つ光は、まるで浄土の輝きを表しているようで、見る人の心を深く感動させます。

専修寺は、地域の人々にとって大切な信仰の場です。日々のお勤めはもちろんのこと、葬儀や法事など、人生の節目となる大切な儀式もここで行われています。人々は専修寺に集い、仏様と向き合い、先祖供養や感謝の気持ちを伝えるとともに、自らの生き方を見つめ直す機会を得ています。このように、専修寺は、地域社会にとってなくてはならない存在となっています。

本山専修寺

三重県津市に位置する本山専修寺は、真宗高田派の総本山であり、一般的には「高田本山」の呼び名で親しまれています。その境内は非常に広く、足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、整然と立ち並ぶ数々の堂宇の壮大さです。甍の波は空へと続き、荘厳な雰囲気に圧倒されます。これらの堂宇の中には、長い歴史の中で大切に守られてきた国宝や重要文化財に指定されている建物も数多く存在し、その一つ一つが歴史の重みと風格を漂わせています。

特に、御影堂は真宗高田派の信仰の中心となる重要な建物です。ご本尊が安置されているこの御影堂には、日々多くの参拝者が訪れ、静かに手を合わせ、祈りを捧げています。堂内は静謐な空気に包まれており、訪れる人々の心を穏やかに鎮めてくれるかのようです。また、本山専修寺の魅力は、建物だけではありません。境内には美しく手入れされた庭園が広がっており、四季折々の自然の美しさを堪能することができます。春の桜、夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、季節ごとに変化する庭園の表情は、訪れる人々に安らぎと感動を与えてくれます。

このように、高田本山は、真宗高田派の信仰の拠点としての役割を担うだけでなく、貴重な文化財を多数保有し、日本の歴史と文化を今に伝える重要な場所となっています。そして、美しい庭園は、都会の喧騒を忘れ、静かに自分自身と向き合う時間を提供してくれる、まさに都会のオアシスと言えるでしょう。

栃木県専修寺のご本尊

栃木県にある専修寺。このお寺のご本尊は、長野県善光寺に安置されている秘仏である一光三尊阿弥陀如来を模した尊いものです。善光寺式阿弥陀三尊とも呼ばれるこの仏像は、三体の仏で構成されています。中心には阿弥陀如来が鎮座し、向かって右には観音菩薩、左には勢至菩薩が並び立っています。この三体の配置には深い意味が込められています。一光三尊とは、一つの光を放つ仏が、三つの姿となって現れることを表しています。これは、阿弥陀如来の慈悲と救いの力が広くあまねく届くことを象徴しているのです。

普段は決して目にすることのできない善光寺の秘仏。その姿を模して作られた専修寺のご本尊は、人々の深い信仰を集めています。人々は手を合わせ、阿弥陀如来の限りない慈悲に思いを馳せるのです。専修寺は、この尊いご本尊を大切に守り伝え、地域に深く根差したお寺として、人々の心の拠り所となっています。

また、このご本尊は、専修寺と善光寺との深い繋がりを私たちに感じさせてくれる貴重な存在でもあります。遠く離れた地にあっても、同じ阿弥陀如来への信仰によって結ばれている。そう思うだけで、心が温まる思いがします。専修寺のご本尊は、多くの人々に親しまれ、大切にされていくことでしょう。

信仰と教え

真宗高田派は、親鸞聖人の教えを大切に受け継いでいます。その教えの中心となるのが「悪人正機説」です。これは、どんなに悪いことをした人でも、阿弥陀如来の限りない力によって救われるという教えです。人は誰でも、過ちを犯したり、思い通りにならないことに苦しんだりすることがあります。どんなに立派な人に見える人でも、心の中に迷いや悩みを抱えているものです。この教えは、善悪の区別なく、すべての人が平等に救われるということを示しています。だからこそ、罪の意識に苦しむ人、将来に不安を抱える人など、多くの人々に生きる希望を与えてきたのです。

また、真宗高田派では、「南無阿弥陀仏」と唱える念仏が大切な行いとなっています。この念仏は、ただ言葉として唱えるだけでなく、阿弥陀如来にすべてをお任せする心、阿弥陀如来に心から帰依する心を表すものです。毎日の生活の中で念仏を唱えることで、阿弥陀如来とのつながりを感じ、穏やかな心で日々を過ごすことができるとされています。慌ただしい日常の中で、ふと立ち止まり、念仏を唱えることで、心静かなひとときを過ごすことができるでしょう。真宗高田派は、この念仏を通して、人々に心の安らぎを届けているのです。

現代社会における役割

現代社会は、人々の繋がりが見えにくくなる一方で、孤独や不安を抱える人が増えています。そのような中で、真宗高田派は、人々の心の支えとなる大切な役割を担っています。

葬儀や法事は、故人を偲び、その生きた証を振り返る場です。大切な人を失った悲しみを乗り越えるために、僧侶による読経や参列者からの弔いの言葉は、遺族の心に寄り添い、深い慰めを与えます。また、これらの儀式は、命の尊さや儚さを改めて認識する機会となり、人々に生きる意味を考えさせる契機ともなります。

真宗高田派の寺院は、地域社会の繋がりを育む拠点としての役割も担っています。仏教行事や地域活動を通じて、人々は集い、語り合い、共に時間を過ごすことができます。高齢者にとっては、仲間との交流の場となり、孤立を防ぐ役割も果たしています。子供たちにとっては、地域文化に触れ、伝統を学ぶ貴重な場となっています。

さらに、真宗高田派は、社会福祉活動にも力を注いでいます。高齢者の見守りや支援、災害時の避難所提供や被災地支援など、様々な活動を通じて、地域社会全体を支えています。困っている人々に手を差し伸べ、共に助け合う精神は、地域社会の絆を強め、温かい社会を築く基盤となります。

このように、真宗高田派は、人々の心の支えとなるだけでなく、地域社会の活性化にも貢献しています。今後も、人々の心に寄り添い、地域社会と共に歩む存在として、大切な役割を果たしていくでしょう。