葬儀での熨斗袋:包み方とマナー

葬儀での熨斗袋:包み方とマナー

葬式を知りたい

先生、葬式と法事に関する言葉で「のし」って出てきました。お祝い事で使うものじゃないんですか?どういう意味ですか?

お葬式専門家

いい質問だね。確かに「のし」は、お祝い事で使うイメージが強いよね。お祝い事の時は、紅白の蝶結びの水引がかかったのし袋を使うけど、葬儀や法事の場合は、黒白や黄白、双銀などの水引で、結び切りになっているのし袋を使うんだ。これは、繰り返すことを望まないという意味が込められているんだよ。

葬式を知りたい

なるほど、水引の種類が違うんですね。じゃあ、のし袋にお金を入れる時、新札は使わない方がいいって聞いたんですけど、本当ですか?

お葬式専門家

そうだね。葬儀や法事の場合、新札は「事前に準備していた」という意味にとられる場合もあるから、あまり好まれないことが多いね。もし新札しか無い場合は、一度折り目を付けてから包むといいよ。

熨斗とは。

お葬式やお法事に持っていくお金を入れる袋のことを『のし袋』と言います。のし袋に入れるお金は、新札ではなく使ったことのあるお札が良いとされています。もし新札しか無い場合は、一度折り目をつけてから入れるようにしましょう。それから、のし袋の中に入れる小さな袋(中袋)の裏側には、自分の住所と名前を書くのを忘れないでください。住所と名前が書いていないと、後でご遺族がお返しなどをするときに困ってしまうので、些細なことですが、大切な心遣いとして覚えておきましょう。

熨斗袋の選び方

熨斗袋の選び方

葬儀に参列する時は、香典として現金を包むために熨斗袋を使います。この熨斗袋は、故人に哀悼の気持ちを表す大切なものです。どのような熨斗袋を選べば良いのか、迷う方も少なくありません。いくつか注意点を踏まえて、適切な熨斗袋を選びましょう。

まず、水引の色は地域によって違いがあります。一般的には黒と白、あるいは銀と銀の水引を選びます。関西など一部地域では、黄と白の水引を使う場合もありますので、事前に調べておくと安心です。

次に、表書きですが、仏式の場合、「御香典」「御霊前」「御仏前」などが一般的です。「御香典」はどの宗派でも使えます。「御霊前」は主に通夜で使われ、四十九日以降は「御仏前」を用います。神式の場合は「玉串料」や「御榊料」、キリスト教式の場合は「献花料」や「御花料」を使います。故人の信仰に合わせて適切な表書きを選びましょう。

熨斗袋のデザインは、落ち着いたものが望ましいです。蓮の絵柄が印刷されているものや、薄い墨で印刷されたものが好まれます。派手な飾りや光沢のあるものは避け、故人を偲ぶ場にふさわしいものを選びましょう。

水引の結び方も大切です。結び切りと蝶結びがありますが、葬儀では結び切りの水引を選びます。結び切りは一度結ぶと解けないことから、繰り返さないようにとの願いが込められています。反対に蝶結びは何度でも結び直せることから、何度あっても良いお祝い事に用います。

熨斗袋の選び方一つで、故人や遺族への心遣いが伝わります。故人の宗派や地域に合わせた適切な熨斗袋を選ぶことは、弔意を表す上で大切なマナーです。

項目 詳細 補足
水引の色 黒と白、銀と銀 地域により黄と白の場合も。事前に要確認
表書き(仏式) 御香典、御霊前、御仏前 御香典:どの宗派でも可
御霊前:主に通夜
御仏前:四十九日以降
表書き(神式) 玉串料、御榊料
表書き(キリスト教式) 献花料、御花料
デザイン 落ち着いたもの(蓮の絵柄、薄い墨など) 派手な飾りや光沢のあるものは避ける
水引の結び方 結び切り 蝶結びは避ける

金額の目安と包み方

金額の目安と包み方

弔事の際、香典を包む金額は、故人との関係性や自分の年齢、住んでいる地域によって変化します。一般的な目安として、故人が親族の場合は5万円から10万円、友人や知人の場合は1万円から3万円、職場関係の場合は5千円から1万円程度とされています。ただし、これはあくまでも目安であり、自身の状況に合わせて包む金額を決めれば問題ありません。

香典を包む際には、いくつか注意すべき点があります。まず、新札を使うのは避けましょう。新札は、まるで故人の死を前もって知っていたかのように準備していた印象を与えてしまう恐れがあります。もし新札しかない場合は、一度折り目を付けてから包むのが礼儀です。

次に、お札の向きにも気を配りましょう。お札には人物の肖像が印刷されていますが、この面を表向きにして、上向きに揃えて香典袋に入れます。これは故人への敬意を表す作法です。

香典袋の選び方にも注意が必要です。一般的に、黒白の水引が使われた香典袋を選びます。水引の本数は地域によって異なりますが、関西では結び切りの水引、関東では結び切りの水引か、弔事用の結び方をした水引を使用します。

表書きは、薄墨の筆ペンか毛筆で書きます。金額は漢数字で書き、下に自分の名前をフルネームで書きます。連名で包む場合は、代表者の氏名と人数を書き添えます。

香典は、故人を偲び、遺族を弔う気持ちを表すものです。金額にとらわれ過ぎず、無理のない範囲で包むことが大切です。故人を悼む真心が最も重要です。

項目 詳細
香典金額の目安
  • 親族:5万円~10万円
  • 友人・知人:1万円~3万円
  • 職場関係:5千円~1万円
新札 使用を避け、一度折り目を付けてから包む
お札の向き 人物の肖像を表向きに、上向きに揃える
香典袋 黒白の水引を使用。水引の本数は地域による(関西:結び切り、関東:結び切りまたは弔事用の結び方)
表書き 薄墨で漢数字で金額、フルネームで氏名、連名の場合は代表者氏名と人数を記載

中袋の書き方と注意点

中袋の書き方と注意点

不祝儀袋の中には、中袋と呼ばれる小さな封筒が入っています。この中袋には、金額と住所、氏名を記入します。お金を入れる際に、金額がひと目でわかるようにするためのものです。中袋の書き方にも作法がありますので、ひとつずつ確認していきましょう。

まず金額の書き方ですが、漢数字を用いて旧字体で書くのが正式です。例えば、一万円であれば「金壱萬円」と書きます。伍阡円、壱萬円など、金額に応じて漢数字を使い分けます。

次に、住所と氏名の書き方です。住所は、都道府県名から番地、建物名、部屋番号まで全て省略せずに楷書で丁寧に記入します。例えば、マンションにお住まいの方は、マンション名と部屋番号まで正確に書きましょう。氏名はフルネームで記入します。

中袋の裏側にも忘れずに記入しましょう。香典返しをいただいた際に、誰からいただいたものかすぐにわかるようにするためです。こちらには自分の住所と氏名を記入します。表面と同様に、住所は都道府県名から省略せずに、氏名はフルネームで書きましょう。

中袋へ記入する際に、丁寧な字で書くことはもちろん、誤字や脱字がないように注意深く書くことが大切です。もしも間違えてしまった場合は、修正液や修正テープを使うのではなく、新しい中袋を使って書き直しましょう。小さなことですが、ご遺族への心遣いを示す大切な部分です。葬儀という厳粛な場では、マナーに則って行動することで、故人を偲び、ご遺族に寄り添う気持ちを伝えることができます。

項目 内容
金額 漢数字(旧字体)で記入。例:一万円 -> 金壱萬円
住所・氏名(表面) 都道府県名から番地、建物名、部屋番号まで省略せずに楷書で記入。氏名はフルネーム。
住所・氏名(裏面) 自分の住所と氏名を表面と同様に記入。
注意点 丁寧な字で誤字脱字がないように記入。間違えた場合は新しい中袋を使う。

香典の渡し方

香典の渡し方

葬儀に参列する際、香典の渡し方は大切なマナーのひとつです。まず、葬儀会場に着いたら受付を探しましょう。受付があれば、そこで香典を渡します。受付がない場合は、係りの人に尋ねて香典をお渡ししましょう。

香典は、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが正式なマナーです。袱紗は、香典を汚れや傷から守り、相手に敬意を示すためのものです。紫、緑、紺などの落ち着いた色の袱紗を選びましょう。華やかな色や派手な模様のものは避け、弔事にふさわしいものを選びます。袱紗がない場合は、清潔なハンカチや風呂敷で代用することもできます。その際も、派手な色柄のものは避け、落ち着いた色合いのものを選びましょう。

香典を渡す際には、まず一礼し、袱紗から香典袋を取り出します。香典袋は、相手の方に向けるように両手で差し出し、「この度は、心よりお悔やみ申し上げます」「ご愁傷様です」など、簡潔なお悔やみの言葉を添えましょう。お渡しする時に、香典袋の表書きが相手に見えるようにするのがマナーです。

袱紗の使い方にも注意が必要です。袱紗から香典を取り出す際は、相手の方に向けて差し出すようにします。香典を渡した後は、袱紗をたたんでバッグにしまいます。袱紗の扱いにも気を配り、丁寧な所作を心がけましょう。

香典の渡し方ひとつで、故人やご遺族への心遣いが伝わります。葬儀のマナーをきちんと理解し、故人を偲び、ご遺族を思いやる気持ちを大切にしましょう。落ち着いた行動で、厳粛な場である葬儀に参列しましょう。

手順 説明 ポイント
1. 受付を探す 葬儀会場に着いたら、受付を探します。 受付がない場合は、係の人に尋ねましょう。
2. 袱紗から香典袋を取り出す 袱紗に包んだ香典袋を、相手の方に向けて差し出すように取り出します。 袱紗は紫、緑、紺などの落ち着いた色のものを選びます。袱紗がない場合は、清潔なハンカチや風呂敷で代用できます。
3. 香典袋を両手で差し出す 香典袋は、相手の方に向けるように両手で差し出します。 香典袋の表書きが相手に見えるようにします。
4. お悔やみの言葉を添える 「この度は、心よりお悔やみ申し上げます」「ご愁傷様です」など、簡潔なお悔やみの言葉を添えます。
5. 袱紗をたたむ 香典を渡した後は、袱紗をたたんでバッグにしまいます。

供花・供物について

供花・供物について

お悔やみの気持ちを表す方法として、香典に加えて、供花や供物を贈ることもあります。供花とは、故人の霊前に飾る花のことです。色とりどりの花々が、式場を厳かに彩り、故人を偲ぶ気持ちを表します。一方、供物とは、故人に捧げる品物のことで、食べ物や飲み物、趣味に関するものなど、故人の好きだったものや愛用していたものを贈ることが一般的です。

供花を手配する場合、葬儀社に依頼する方法と、自身で花屋に注文する方法があります。葬儀社に依頼する場合は、式場の雰囲気や規模に合わせた適切な供花を用意してくれますので、手間がかかりません。自身で手配する場合は、故人の好きだった花や、白や黄色など、落ち着いた色合いの花を選ぶのが良いでしょう。菊やユリ、カーネーションなどがよく選ばれます。最近では、故人の好きだった色合いや雰囲気でアレンジされた、洋花を贈るケースも増えています。

供物も同様に、葬儀社を通して贈るか、自身で手配することができます。故人の好きだった食べ物や飲み物、趣味の品など、故人を偲ぶにふさわしいものを選びましょう。果物やお菓子、線香、ろうそくなどが選ばれることが多いですが、地域によっては、供物の種類に決まりがある場合もありますので、事前に葬儀社や親族に確認しておくと安心です。例えば、四十九日までは肉や魚などの生ものを避ける地域や、火葬の際に燃えやすいものは避ける地域などがあります。

供花や供物は、故人への弔いの気持ちを表す大切なものです。故人の霊前に供えることで、冥福を祈るとともに、遺族の心を慰めることにも繋がります。どのような供花や供物を贈るべきか迷う場合は、葬儀社や親族に相談してみるのも良いでしょう。

供花 供物
意味 故人の霊前に飾る花 故人に捧げる品物
種類 菊、ユリ、カーネーション、洋花など 食べ物、飲み物、趣味に関するもの、果物、お菓子、線香、ろうそくなど
手配方法 葬儀社に依頼、自身で花屋に注文 葬儀社を通して贈る、自身で手配
注意点 白や黄色など落ち着いた色合いを選ぶ 地域によっては種類に決まりがあるため、事前に確認

弔問時の服装

弔問時の服装

葬儀への参列は、故人との最後のお別れを告げる大切な場です。そこで、参列する際の服装は、故人やご遺族への敬意を表す上で非常に重要となります。基本的には黒の喪服を着用するのが一般的です。

男性の場合、黒のスーツに白のワイシャツ、そして黒のネクタイを着用します。光沢のない落ち着いた黒を選び、華美な装飾は避けましょう。

女性の場合も同様に黒を基調とした服装が適切です。黒のワンピースやスーツ、アンサンブルなどが一般的です。和装の場合は、黒無地の着物に黒帯を合わせます。

アクセサリーは、真珠のネックレスやイヤリングなど、控えめで上品なものを選びましょう。光るものや華美なものは避け、故人を偲ぶ場にふさわしい落ち着いた装いを心がけてください。

靴は、男女ともに黒の革靴やパンプスが基本です。かつては動物の革は殺生を連想させるため避けるべきとされていましたが、近年では黒であれば問題ないとされています。ただし、光沢のあるエナメル素材や派手な装飾のあるものは控えましょう。

服装は、故人やご遺族への弔意を表す大切な要素です。失礼のないよう、適切な服装で参列し、故人の冥福を祈ることが大切です。

性別 服装 アクセサリー
男性 黒のスーツ、白のワイシャツ、黒のネクタイ(光沢のない黒、華美な装飾は避ける) 控えめで上品なもの(例:真珠のネックレス、イヤリング) 黒の革靴(光沢のあるエナメル素材や派手な装飾のあるものは控える)
女性 黒のワンピース、スーツ、アンサンブルなど。和装の場合は黒無地の着物に黒帯。 控えめで上品なもの(例:真珠のネックレス、イヤリング) 黒のパンプス(光沢のあるエナメル素材や派手な装飾のあるものは控える)