七具足:故人を偲ぶ大切な道具

七具足:故人を偲ぶ大切な道具

葬式を知りたい

先生、「七具足」って五具足に何かを足したものですよね?どんなものですか?

お葬式専門家

そうじゃな。七具足は、五具足である香炉、燭台、花立、茶湯器、仏飯器に加えて、茶湯器と仏飯器を加えたものじゃ。

葬式を知りたい

つまり、茶湯器と仏飯器が2つずつあるってことですか?

お葬式専門家

いや、五具足の時点で茶湯器と仏飯器は含まれているんじゃ。七具足では、香炉、燭台、花立に加えて、茶湯器と仏飯器がそれぞれ2つずつになるのじゃよ。合計7つになるわけじゃな。

七具足とは。

お葬式やお法事などで使う道具、『七具足』について説明します。七具足とは、五具足に茶湯器と仏飯器を加えた七つの道具のことです。

七具足とは

七具足とは

七具足とは、仏壇に飾る七つの仏具のことです。ご先祖様や亡くなった方の霊を慰め、冥福を祈る大切な道具として用いられます。五具足に茶湯器と仏飯器を加えたものが七具足となり、宗派によっては、この七具足が基本の構成となっています。特に浄土真宗では七具足を使うことが一般的です。

七具足にはそれぞれ意味があり、香炉には良い香りを漂わせる香を焚きます。香の煙は、心を清め、仏様の世界へと繋がる橋渡しと考えられています。燭台は灯明を灯すもので、闇を照らし、迷える霊を導く意味が込められています。そして、花立には季節の花を飾り、生命の美しさやはかなさを表現します。香合には、香炉で焚く香を入れておきます。良い香りは仏様を供養するだけでなく、私たちの心も清めてくれます。火立には火を灯し、煩悩を焼き尽くす意味が込められています。また、故人の霊が迷わずに成仏できるように、道を照らす意味合いもあります。茶湯器にはお茶またはお湯を供えます。これは、故人の渇きを癒すため、また、私たちが生きていく上で必要な飲み物を供えることで、感謝の気持ちを表すためです。最後に仏飯器にはご飯を供えます。ご飯は命の源であり、故人の霊に力を与えるとともに、私たちの日々の暮らしへの感謝の気持ちを表しています。

このように七具足の一つ一つに意味があり、故人への敬意と感謝の気持ちを表すものです。心を込めて供えることが大切です。七具足は、単なる道具ではなく、故人と遺族を繋ぐ大切な役割も担っています。故人を偲び、共に過ごした日々を思い出し、感謝の気持ちを新たにするためにも、七具足は欠かせないものと言えるでしょう。

仏具 意味
香炉 良い香りを漂わせる香を焚き、心を清め、仏様の世界へと繋がる橋渡しとする。
燭台 灯明を灯し、闇を照らし、迷える霊を導く。
花立 季節の花を飾り、生命の美しさやはかなさを表現する。
香合 香炉で焚く香を入れておく。良い香りは仏様を供養するだけでなく、私たちの心も清める。
火立 火を灯し、煩悩を焼き尽くす。故人の霊が迷わずに成仏できるように、道を照らす。
茶湯器 お茶またはお湯を供え、故人の渇きを癒す。また、私たちが生きていく上で必要な飲み物を供えることで感謝の気持ちを表す。
仏飯器 ご飯を供え、故人の霊に力を与えるとともに、私たちの日々の暮らしへの感謝の気持ちを表す。

七具足の配置

七具足の配置

仏壇の中心に、ご本尊あるいは故人の位牌を安置します。これは、信仰の対象であり、故人を偲ぶ大切な拠り所となるからです。この中心から見て手前に、七具足と呼ばれる仏具を配置していきます。七具足とは、香炉、燭台、花立、火立、茶湯器、仏飯器、香合の七つの仏具のことです。

まず、中心のご本尊のすぐ手前に、香炉を配置します。香炉は、お線香を焚き、香りを仏様に捧げるためのものです。心を落ち着かせ、祈りを深めるための大切な役割を果たします。

香炉の左右には、燭台を置きます。燭台は、ろうそくに火を灯し、仏様の世界を明るく照らすためのものです。故人の霊を導く光とも考えられています。

香炉の手前には、花立を配置します。花立には、生花あるいは造花を供えます。仏様への感謝の気持ちを表すものであり、仏壇を美しく彩る役割も担います。

燭台の左右の手前には火立を置きます。火立には、ろうそくを灯します。灯明は、迷える霊を導く光であり、故人の冥福を祈る心を象徴しています。

さらに手前、向かって左側に茶湯器、右側に仏飯器を配置します。茶湯器には、お水、あるいは茶を供えます。仏飯器には、ご飯を供えます。これらは、故人の霊への供物であり、生きている私たちからの心遣いを示すものです。

最後に、香合を香炉の横に置きます。香合には、お線香を焚くための香を入れます。

これらの配置は、宗派や地域、あるいは仏壇の大きさによって異なる場合があります。もし配置に迷う場合は、菩提寺に相談するのが良いでしょう。どの宗派のどの地域でも、故人への敬意を込めて丁寧に仏具を扱い、仏壇を清浄に保つことが大切です。日々、心を込めて清掃し、故人を偲びましょう。

七具足の配置

七具足の素材

七具足の素材

仏壇にお供えする七具足。その素材は実に様々です。古くから用いられてきた金属製のものは、重厚な雰囲気を醸し出す真鍮や、落ち着いた輝きを放つ銅、そして華やかで高級感あふれる金メッキなどがあります。真鍮製の七具足は時が経つにつれて独特の色合いに変化していくため、その変化を楽しむ方も多くいらっしゃいます。銅は、その柔らかな光沢が仏壇に静謐な雰囲気をもたらします。金メッキは、そのまばゆい輝きで故人を荘厳に弔うのにふさわしいでしょう。

金属以外にも、温かみのある木製や、近年人気が高まっている陶器、ガラスなど、様々な素材の七具足があります。木製は、木のぬくもりが感じられ、特に和風の仏壇によく合います。近年では、現代的なデザインの仏壇に合うよう、陶器やガラスといった素材を用いた七具足も作られています。陶器は、その素朴な風合いや色合いで、故人の穏やかな人柄を表すかのように優しく仏壇を彩ります。ガラスは、その透明感と光沢が、清らかで神聖な空間を演出します。

七具足の素材を選ぶ際には、仏壇のデザインやご自身の好みに合わせることが大切です。例えば、黒檀や紫檀などの暗い色の仏壇には、金メッキの七具足がよく映えます。一方、明るい色の仏壇には、落ち着いた色合いの銅や真鍮、あるいは木の温もりを感じさせる木製が調和するでしょう。また、故人の好きだった色や、故人にふさわしいと感じる素材を選ぶのも良いでしょう。

高価な素材だから良いというわけではありません。故人を偲び、供養する心を込めてお供えすることが何よりも大切です。それぞれの素材の特徴を理解し、長く大切に使えるものを選びましょう。そして、七具足を通して故人の霊を慰め、安らかな眠りを祈る時間を大切に過ごしましょう。

素材 特徴 雰囲気 合う仏壇
真鍮 重厚な雰囲気、経年変化を楽しむ 重厚
落ち着いた輝き、柔らかな光沢 静謐 明るい色の仏壇
金メッキ 華やか、高級感 荘厳 黒檀、紫檀などの暗い色の仏壇
木製 木の温もり 温かみのある 和風の仏壇、明るい色の仏壇
陶器 素朴な風合い、穏やかな色合い 優しく 現代的なデザインの仏壇
ガラス 透明感、光沢 清らか、神聖 現代的なデザインの仏壇

七具足の選び方

七具足の選び方

ご先祖様を敬う気持ちを表す大切な仏具である七具足。その選び方について、仏壇との調和、素材、価格といった視点から詳しくご説明いたします。

まず、七具足を選ぶ際には、お仏壇の大きさをしっかりと測り、バランスを考慮することが大切です。大きすぎる七具足は仏壇の荘厳さを損ない、圧迫感を与えてしまいます。逆に小さすぎる七具足は、お仏壇の中で埋もれてしまい、故人への想いを伝えるには物足りません。お仏壇の奥行きと幅をよく確認し、ちょうど良い大きさの七具足を選びましょう。

次に、お仏壇のデザインや色との調和も重要です。伝統的な唐木や金仏壇には、落ち着いた色合いの木製や真鍮製の七具足が良く合います。黒檀や紫檀といった重厚な木材で作られた仏壇には、同じように重厚感のある素材の七具足を選ぶと、統一感が生まれます。一方、近年人気の高いモダンなデザインの仏壇には、シンプルなデザインの金属製やガラス製の七具足が調和します。お仏壇と七具足の素材や色合いを合わせることで、より一体感のある空間を演出できます。

七具足の素材は、見た目だけでなく、お手入れのしやすさにも関わります。真鍮製の七具足は、使い込むほどに味わい深い色味に変化していきますが、こまめな手入れが必要です。一方、ガラスや陶器製の七具足は、汚れが落としやすく、お手入れが簡単です。ご自身の生活スタイルに合わせて、無理なくお手入れできる素材を選びましょう。

最後に、価格も大切な要素です。七具足は、故人を偲び、供養するための大切な品です。価格だけで選ぶのではなく、品質やデザインにもこだわり、長く大切に使えるものを選びましょう。予算に合わせて、素材や装飾の細やかさなど、優先順位を付けて選ぶことが大切です。

七具足は、毎日手を合わせる大切な仏具です。これらの点を参考に、お仏壇とご自身の想いにぴったりの七具足を選び、故人への想いを伝えていきましょう。

視点 詳細
仏壇との調和(サイズ) 仏壇の大きさを測り、バランスを考慮。大きすぎても小さすぎてもバランスが悪い。奥行きと幅を確認し、ちょうど良いサイズを選ぶ。
仏壇との調和(デザイン・色) 仏壇のデザインや色との調和が重要。伝統的な仏壇には木製や真鍮製、モダンな仏壇には金属製やガラス製が合う。素材や色合いを合わせることで統一感を出す。
素材 素材は見た目だけでなく、お手入れのしやすさにも関わる。真鍮製は味わい深いが手入れが必要。ガラスや陶器製は手入れが簡単。生活スタイルに合った素材を選ぶ。
価格 価格だけで選ぶのではなく、品質やデザインにもこだわる。長く大切に使えるものを選ぶ。予算に合わせて、素材や装飾の細やかさなど、優先順位を付けて選ぶ。

七具足の手入れ

七具足の手入れ

仏壇に欠かせない七具足。香炉、燭台、花立、茶湯器、仏飯器、高坏、線香差しから成るこの仏具は、故人への想いを伝える大切なものです。そして、その美しさを保ち、長く使い続けるためには、定期的なお手入れが不可欠です。

日頃のお手入れは、柔らかい布で優しく乾拭きをすることから始めましょう。乾いた布で丁寧に埃を拭き取ることで、輝きを保つことができます。ただし、強くこすると傷の原因となるため、優しく丁寧に扱うことが大切です。もし汚れが目立つ場合は、ぬるま湯に中性洗剤を少量溶かし、布を浸して軽く絞ってから拭きましょう。洗剤が残らないよう、水拭きした後に乾いた布でしっかりと水分を拭き取ってください。特に水分の拭き残しは、変色や劣化の原因となりますので、注意が必要です。

金属製の七具足の場合、研磨剤入りの磨き粉は使用を控えましょう。研磨剤は金属の表面を傷つけ、輝きを失わせる原因となります。金属磨き専用の洗浄液を使用するか、重曹を水で溶かしたものを布に含ませて磨くと、輝きを取り戻すことができます。また、素材によって適切な手入れ方法は異なります。真鍮や銅は時と共に独特の色合いに変化していきます。これは経年変化によるもので、味わい深いものとされています。一方、金メッキが施された七具足は、剥がれやすい性質があるため、強くこすったり、研磨剤を使用することは避けましょう。

七具足は、故人との繋がりを象徴する大切なものです。丁寧に扱い、適切な方法で手入れをすることで、その美しさを長く保ち、故人の思い出を大切に守ることができます。また、使用しない時は、湿気や直射日光を避け、保管場所にも気を配りましょう。

対象 日常の手入れ 汚れが目立つ場合 注意点
七具足全般 柔らかい布で優しく乾拭き ぬるま湯に中性洗剤を少量溶かし、布を浸して軽く絞ってから拭き、その後水拭きと乾拭き 水分の拭き残しは変色や劣化の原因、素材によって適切な手入れ方法は異なる、使用しない時は湿気や直射日光を避け保管
金属製 金属磨き専用の洗浄液、または重曹を水で溶かしたものを布に含ませて磨く 研磨剤入りの磨き粉は使用しない
真鍮・銅 経年変化による色合いの変化は味わい深いもの
金メッキ 剥がれやすいので強くこすったり、研磨剤を使用しない

七具足の購入場所

七具足の購入場所

仏壇にお供えする七つ道具、七具足。その購入場所についてですが、大きく分けて三つの方法があります。一つ目は、昔から馴染み深い仏具店や仏壇店です。これらの店では、様々な種類や材質の七具足を取り揃えています。実際に手に取って見たり、触ったりすることで、重さや質感、細工の具合などを確かめることができます。商品の品質を自分の目で確認できることは、大きな利点と言えるでしょう。また、仏具に関する知識豊富な店員に相談すれば、お仏壇の大きさや宗派に合った適切な七具足選びの助言をもらえることも期待できます。

二つ目は、百貨店です。一部の百貨店では、仏具売り場が設けられています。品揃えは仏具専門店ほど多くはないかもしれませんが、比較的高級な商品や、有名作家の作品などを見つけることができる場合もあります。買い物のついでに立ち寄れる手軽さも魅力です。ただし、専門の店員が常駐していない場合もあるので、詳しい説明が必要な場合は、事前に確認しておくと良いでしょう。

三つ目は、近年利用者が増えているインターネット通販です。パソコンや携帯電話から、いつでもどこでも気軽に注文できるのが大きなメリットです。また、実店舗と比べて価格が安い場合も多いです。多くの商品を写真や動画で比較検討できるため、じっくりと時間をかけて選ぶことができます。一方で、実物を見ることができないため、色合いや質感、大きさなどが画面上の印象と異なる場合もあるという点は注意が必要です。購入前に、商品の寸法や材質、返品交換に関する規約などをしっかりと確認することが大切です。それぞれの購入方法には、それぞれの良さがあります。自分の希望や状況に合った方法を選び、納得のいく七具足を選びましょう。

購入場所 メリット デメリット
仏具店・仏壇店
  • 様々な種類や材質の七具足を取り揃えている
  • 実際に手に取って見たり、触ったりできる
  • 店員に相談できる
特になし
百貨店
  • 比較的高級な商品や有名作家の作品などを見つけることができる場合もある
  • 買い物のついでに立ち寄れる
  • 品揃えは仏具専門店ほど多くない
  • 専門の店員が常駐していない場合もある
インターネット通販
  • いつでもどこでも気軽に注文できる
  • 価格が安い場合も多い
  • 多くの商品を写真や動画で比較検討できる
  • 実物を見ることができない
  • 色合いや質感、大きさなどが画面上の印象と異なる場合もある