霊廟:祖先を敬う大切な場所
霊廟とは、先祖の魂を祀り、敬いを表すための場所です。漢字で「霊廟」と書き、「れいびょう」もしくは「みたまや」と読みます。神道では、仏教の仏壇と同じような役割を持つ「御霊屋(みたまや)」や「御霊舎(みたましゃ)」を家に設けます。毎日、祖先に感謝の祈りを捧げる大切な場所です。御霊屋は、家の床の間などに設置されることが多く、神棚とは別に設けられることが多いようです。御霊舎は、御霊屋よりも小型で、持ち運びできるものもあります。仏教でも、仏壇や先祖を祀る部屋を、広い意味で霊廟と考えることができます。仏壇は、ご本尊や故人の位牌を安置し、日々のお祈りを捧げる場所です。また、一族の墓を建てる際に、その敷地内に設けられる礼拝堂のような建物も霊廟と呼ぶことがあります。近年では、屋内に設置されるお墓や、屋内にある礼拝堂のような場所も霊廟と呼ばれるようになってきました。納骨堂の中の個室のような区画に、遺骨を安置し、個別に祭壇を設ける形式も増えています。これらの場所は、天候に左右されず、快適な環境で先祖を偲ぶことができます。このように、霊廟は宗教や形式にこだわらず、先祖の魂を祀るための場所全般を指すと言えるでしょう。時代の変化と共に、その形も多様化しています。