五七日(三十五日)忌と納骨
五七日(ごしちにち)忌とは、人が亡くなってから三十五日目に行う追善供養の法要のことです。三十五日は、七という数字が五回繰り返されることから、「五七日」という呼び名が定着しました。別名として小練忌(しょうれんき)とも呼ばれています。この五七日忌は、地域や宗派によっては忌明け(きあけ)とされることもあります。忌明けとは、喪に服す期間が終わることを意味し、日常の生活に戻るための大切な節目となる法要です。故人の霊を慰め、あの世での幸せを祈る大切な儀式として執り行われます。五七日忌をもって納骨を行うことも多く、僧侶を招いて読経してもらい、故人に供物を捧げます。参列者はお香を焚き、故人の冥福を祈ります。法要後には、参列者で会食を共にすることが一般的です。この席で、故人の思い出を語り合ったり、近況を報告しあったりすることで、遺族は悲しみを分かち合い、心の支えを得ることができます。仏教では、人が亡くなってから七日ごとに、閻魔大王による裁きが行われるとされています。最初の裁きが行われるのが、この五七日です。そのため、五七日忌には、故人が次の世で幸せに暮らせるようにという願いも込められています。地域や宗派によって、五七日忌の具体的な内容は異なることもありますが、故人の冥福を祈るとともに、遺族にとっては悲しみを乗り越え、前へ進むための大切な機会となっています。