合同法要:合斎のススメ
合斎とは、複数の方の年忌法要を同じ時期にまとめて行うことを指します。例えば、ある故人の七回忌と別の故人の二十三回忌が同じ年に重なった場合、それぞれ別々に行うとなると、主催する側も参列する側も負担が大きくなってしまいます。時間や費用はもちろんのこと、準備や手配など、何かと手間がかかるものです。そこで、これらの法要を一度にまとめて執り行うことで、時間的、経済的な負担を軽減することができるのです。法要は一度に複数回忌分を行うのではなく、あくまでも同じ年に複数の年忌が重なった場合に、それらをまとめて一度に行うものです。特に、年忌が近い故人が複数いらっしゃる場合に有効な手段となります。例えば、ご両親やご兄弟など、近しい間柄の故人の年忌が近い場合、それぞれ個別に法要を行うのは大変です。合斎を行うことで、個別の法要に参列する手間や費用を省くことができ、一度に多くの親族が集まり、共に故人を偲ぶことができるのです。これは、故人の冥福を祈るだけでなく、親族間の絆を深める良い機会ともなります。近年は、核家族化やライフスタイルの変化が進み、親族が集まる機会が以前に比べて少なくなっています。冠婚葬祭のような大きな行事がない限り、なかなか一同に会することが難しいというご家庭も多いのではないでしょうか。合斎は、そのような状況下において、親族の交流を深めるための貴重な機会となるでしょう。遠方に住む親族も一度に会えるため、近況を報告し合ったり、思い出話に花を咲かせたり、故人を偲びながら親睦を深めることができるという点も大きなメリットと言えるでしょう。