墓石構造

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墓石

お墓の袖石:知っておきたい基礎知識

お墓の入り口両脇に、後ろ向きに置かれた石のことを袖石といいます。お墓の顔とも言える大切な場所の両側に位置し、お墓全体を囲む外柵の一部として考えられることもあります。袖石という言葉が指す範囲は、左右の端にある石そのものを指す場合と、正面から見て左右に伸びる部分全体を指す場合の二通りがあります。袖石には、隣のお墓との境目をはっきりさせるという大切な役割があります。これによって、お墓の区画が誰の目にも分かりやすくなります。また、袖石があることでお墓全体に重厚感や風格が加わり、見た目にも美しいアクセントとなります。お墓のデザイン全体を引き締める効果も期待できます。袖石は、一般的に広々とした区画のお墓でよく見られます。ゆとりある敷地に、堂々とした袖石が設置されることで、お墓全体の風格がより一層高まります。しかし、近年は、特に首都圏を中心として、小さな区画で階段のないお墓が増えてきており、袖石を設置しない場合も多くなっています。これは、限られたスペースを有効に活用するため、また、現代的なシンプルなデザインを好む人が増えているためと考えられます。このように、袖石の有無は、お墓のデザイン、区画の広さ、地域の習慣など、様々な要素によって決まります。お墓を建てる際には、これらの要素を考慮し、ご自身の希望に合ったお墓の形を考えることが大切です。