仲睦まじい夫婦墓:永遠の愛を形に
夫婦墓とは、文字通り夫婦二人で入るお墓のことを指します。従来のお墓は家単位で建てられることが多く、家長を筆頭に家族全員が同じお墓に埋葬されるのが一般的でした。しかし、近年は夫婦のみで一緒に入るお墓を望む方が増えています。この背景には、核家族化や少子化の進行といった社会の変化が挙げられます。子供が少ない、あるいはいない夫婦にとっては、家単位のお墓ではなく、夫婦二人だけで入るお墓を選択することが自然な流れとなっています。また、夫婦の絆を大切にする風潮も、夫婦墓の人気を後押ししています。生前だけでなく、死後も共に過ごしたいと願う夫婦の愛情の深さが、夫婦墓という形に表れていると言えるでしょう。夫婦墓には、様々な形状があります。従来の和型墓石に夫婦の名前を刻む形式もあれば、洋型墓石のようにデザイン性の高い墓石を選ぶことも可能です。最近では、故人の好きだった色や形を取り入れたオリジナルの墓石を制作することもできます。また、納骨堂や樹木葬といった新しい埋葬形式にも、夫婦で入れる区画が用意されている場合があります。後継ぎがいない夫婦にとっても、夫婦墓は自分たちだけの安住の地として選ばれています。子供たちに負担をかけたくない、自分たちのことは自分たちで決めたいという思いから、夫婦墓を選択する夫婦も少なくありません。夫婦が同じお墓に入ることで、あの世でも互いに支え合い、寄り添いながら仲良く暮らしていくことを願う気持ちが込められています。夫婦墓は、永遠の愛を象徴する形と言えるでしょう。