袱紗:葬儀における役割と使い方
ふくさは、冠婚葬祭といった儀式で、金品を包む際に用いる絹の布のことです。人と人との間で金品をやり取りする際に、直接手で触れることを避け、相手に敬意を表すために使われます。また、包んだ中身を汚れや傷から守る役割もあります。日本では古くから使われており、礼儀を重んじる心を象徴するものと言えるでしょう。ふくさの色や種類は様々ですが、葬儀で使われるのは主に青系統の色です。濃い青色や藍色、深い緑色が一般的で、落ち着いた雰囲気を醸し出します。お祝い事には赤やオレンジ、紫などの明るい色を用いることが多く、葬儀とは使い分ける必要があります。ふくさの包み方にも決まりがあり、包む方向で慶事と弔事を区別します。葬儀などの弔事では左前に包み、喜びを表す慶事とは反対に、悲しみを表す作法とされています。袱紗をテーブルに広げるときは、右上がわになるように置き、金品を中央に置いて包みます。ふくさの生地は絹が一般的ですが、近年ではポリエステル製の物も増えてきました。絹のふくさは上品な光沢と滑らかな手触りが特徴で、正式な場にもふさわしい高級感があります。一方、ポリエステル製のふくさは値段が手頃で、家庭で洗濯できるという利点があります。どちらを選ぶかは、個人の好みや状況に合わせて決めることができます。ふくさは、一度買えば様々な場面で長く使うことができます。丁寧に扱い、保管しておくことで、冠婚葬祭の様々な場面で活躍してくれるでしょう。大切な場面で失礼がないよう、ふくさの使い方や作法を正しく理解しておくことが大切です。