バリアフリー墓地:誰もが安心してお参りできる場所
車いすの方や、ご年配の方、小さなお子さんを連れた方など、どなたでも安心して墓参ができるように整備された墓地を『段差のない墓地』といいます。これは『平坦墓地』とも呼ばれ、近年、高齢化が進むにつれて需要が高まっている設計思想です。従来の墓地では、通路に段差があったり、足場が悪かったりする場合が多く、お参りするだけでも大変な苦労を伴うことがありました。車いすをご利用の方はもちろん、杖を使う方や足腰の弱い方にとっても、お墓までの道のりは負担が大きく、安全面でも不安がありました。小さなお子さんがいる場合は、段差で転んだり、砂利道でつまずいたりする危険性もあり、常に注意を払う必要がありました。段差のない墓地では、駐車場から墓地内、そして個々のお墓まで、できる限り段差をなくすよう設計されています。段差の代わりに、緩やかなスロープが設置されている場合もあります。車いすの方でもスムーズに移動でき、杖を使う方や足腰の弱い方でも負担なくお参りすることができます。また、小さなお子さんが転倒する危険性も少なく、家族みんなで安心して故人を偲ぶことができます。墓地内は舗装されていることが多く、雨の日でもぬかるみに足を取られる心配がありません。水はけも良く設計されているため、お墓の周囲が水たまりになることも防ぎます。さらに、休憩できるベンチや屋根付きの待合スペースなどが設置されている墓地もあり、快適にお参りできるよう様々な工夫が凝らされています。このように、段差のない墓地は、誰もが安全に、そして快適に故人に想いを馳せることができる場所として、ますます重要性を増しています。