お墓の石材:花崗岩の選び方
お墓を建てる際に、まず考えることはどんな石を使うかでしょう。数ある石材の中でも、墓石によく使われるのが花崗岩です。一般的には「御影石」という名で親しまれており、その穏やかな見た目と丈夫さから、多くの墓石に使われています。御影石とは、特定の種類の石ではなく、閃緑岩や斑れい岩、安山岩など、いくつかの種類の石の総称です。これらの石は、マグマが地下深くでゆっくりと冷えて固まることでできる深成岩という種類に分類され、硬くて緻密な構造をしています。この構造のおかげで、雨風や日光にさらされる厳しい環境にも耐えることができます。そのため、何世代にもわたって大切に受け継がれる墓石にはぴったりの材料と言えるでしょう。花崗岩は、白、黒、灰色、ピンクなど、色も模様も実に様々です。石の産地や含まれている成分によって、これほど多彩な表情を見せるのです。例えば、黒御影石は落ち着いた雰囲気があり、風格を重んじるお墓に好まれます。一方、白御影石は明るく清らかな印象を与え、近年人気が高まっています。また、ピンク御影石は柔らかな雰囲気があり、女性のお墓に選ばれることも多いです。このように、花崗岩は豊富な種類から故人に合う石を選ぶことができるため、故人の個性を表現する手段としても重宝されています。さらに、研磨によって美しく磨き上げることができるため、墓石にふさわしい風格を演出できます。墓石は、故人の魂が宿る大切な場所です。長い年月、風雨に耐え、子孫に受け継がれていくものですから、丈夫で美しい石を選ぶことが大切です。花崗岩はそのような条件を満たす、まさに理想的な石材と言えるでしょう。そして、様々な色や模様を持つ花崗岩の中から、故人にぴったりの一品を選び、想いを込めてお墓を建ててあげたいものです。