葬儀と法事で使われる折敷の役割
折敷とは、神事や仏事で用いられる、物を乗せるための台のことです。平たい形状で、低い縁がついており、盆によく似ています。主にひのきの白木で作られており、清浄な印象を与えます。三方の屋根のない部分と似た形をしており、四隅に穴が開いているものや、脚がついているものもあります。もともとは神様への供え物を置くために使われていました。神前に食物やお酒などをお供えする際に、直接地面に置くのではなく、折敷を用いることで神聖さを保つ意味がありました。時代が進むにつれて、仏教の儀式にも使われるようになり、今では葬儀や法事など、様々な仏事で見かける機会が増えました。折敷の大きさは様々で、用途によって使い分けられています。例えば、小さなものは香炉や線香を置くために使われます。また、大きなものは料理や果物、お菓子などの供え物を乗せるために使われます。葬儀や法事では、故人の霊前に供える料理や香炉などを乗せる台として、欠かせないものとなっています。材質もひのきの白木だけでなく、黒塗りや朱塗りなど様々な種類があります。黒塗りのものは、格式高い場や、故人の霊前など、厳粛な雰囲気の場面で使われます。一方、朱塗りのものは、祝い事など、おめでたい席で使われることが多いです。地域によっては、折敷の代わりに三方を使う習慣も残っています。折敷、あるいは三方は、神仏への敬意を表す大切な道具として、古くから大切に扱われてきました。