文化財

古墳とは、３世紀半ばから７世紀にかけて、この国で権力を持った人々のお墓として作られた巨大な土山のことです。 まるで大地に浮かぶ緑の小島のように、こんもりとした姿で各地に点在しており、当時の様子を知るための大切な手がかりとなっています。古墳には様々な形があり、代表的なものとして円形、方形、そして前方後円形が挙げられます。前方後円形は、円形と方形がくっついたような独特の形で、日本の古墳を象徴する形とも言われています。これらの古墳は、大きさも様々で、小さなものは数メートル程度のものから、巨大なものは数百メートルにも及ぶものまであります。特に有名なのは、世界最大級の規模を誇る仁徳天皇陵古墳（大仙古墳）で、その大きさは圧巻です。古墳は、ただ土を積み上げただけの山ではありません。内部には、石室と呼ばれる埋葬施設が作られ、そこには、遺体と共に、鏡や玉、武器、土器など、様々な副葬品が納められていました。これらの副葬品は、当時の技術力や文化を知る上で貴重な資料となっています。また、古墳の周囲には、埴輪と呼ばれる素焼きの人形や動物の像が並べられていました。これらの埴輪は、死者の霊を守るためのものと考えられており、当時の精神世界を垣間見ることができます。古墳は、単なるお墓ではなく、当時の権力構造や社会の様子、文化、技術、そして精神世界を映し出す鏡のような存在です。古墳を訪れることで、私たちは古代の人々の息吹を感じ、悠久の時の流れに思いを馳せることができるでしょう。