四華花:葬儀に用いる白い花
四華花とは、葬儀や法事といった弔いの場で用いられる、白い造花のことを指します。故人の霊前で飾られる四華花は、祭壇や棺の周りに置かれ、厳かな雰囲気を醸し出し、空間を荘厳します。この白い花は、お釈迦様が亡くなる、つまり入滅される際に、沙羅双樹の花が黄色から白へと変わったという故事に由来しています。沙羅双樹は本来黄色い花を咲かせますが、お釈迦様が入滅を迎えるその瞬間に、白く変わったと言い伝えられています。このことから、白い花は、故人の冥福を祈り、あの世での安らかな暮らしを願う象徴として、大切に扱われるようになりました。四華花は、単なる飾りではなく、深い意味を持つ供物です。故人が迷わずに成仏できるよう、安らぎと平穏を祈る気持ちが込められています。また、残された人々が死を悼み、故人の霊を慰める意味も併せ持っています。古くから、葬儀は故人の魂を清め、あの世へと導くための大切な儀式とされてきました。四華花を飾ることで、この神聖な儀式にふさわしい厳粛な雰囲気を作り出し、参列者一同が心を一つにして故人を偲び、冥福を祈る場となるのです。四華花の白い色は、清らかさと純粋さを表し、故人の魂の清浄を象徴しているとも言われています。四華花は、見た目にも美しく、静かで穏やかな雰囲気を作り出し、故人を送る大切な儀式に欠かせないものとなっています。