墓石における丸材の役割
丸材とは、読んで字のごとく、丸い形の材料のことを指します。様々な素材で使われる言葉で、加工される前の元の状態を指すことが多いです。木の幹や枝を伐採しただけの状態、樹皮が付いたままの状態の木材も丸太と呼ばれることがありますが、これも丸材の一種です。建築に使う角材や板材のように加工されていない、自然のままの形をしている木材です。山林から切り出されたばかりの木材を想像すると分かりやすいでしょう。丸太は、製材されて柱や梁などの建築材になるだけでなく、そのまま丸太小屋の建築に使われたり、家具や工芸品の材料にも使われます。金属材料の場合も、丸材という言葉が使われます。鉄やステンレスなどの金属は、工場で様々な形に加工される前には、長い棒状になっています。この円柱形の金属の棒のことを丸材と呼びます。この丸材は、その後、切断や曲げ、溶接などの加工を経て、様々な部品や製品へと姿を変えていきます。お墓に使われる石材にも、丸材という言葉が使われます。石材の場合は、自然石をそのまま使う場合や、石を円柱状に切り出したものを丸材と呼びます。墓石の形に加工される前の状態の石材を指す言葉です。洋型の墓石によく見られる、円柱状の石を積み重ねたデザインは、この石材の丸材を活かしたデザインと言えるでしょう。このように、丸材とは、木や金属、石材など、素材の種類に関わらず、加工前の状態にある材料のことを広く指す言葉です。同じ丸材でも、素材によってその用途や加工方法は大きく異なり、様々な製品の原料として私たちの生活を支えています。