現代の納骨堂事情
納骨堂とは、亡くなった方の遺骨を安置するための場所です。納骨殿とも呼ばれ、古くから寺院の中に設けられていることが一般的でした。お寺の本堂の一角、もしくは専用の建物の中に、ロッカーに似た形状の棚が多数並び、それぞれがご遺骨を納めるのに適した大きさに区切られています。これらの棚は納骨壇と呼ばれ、ご遺骨を丁寧に安置します。納骨堂の中心には仏壇が据え付けられ、安置されたご遺骨を仏様がいつも見守ってくださっているのです。近年、都会を中心にお墓の不足や核家族化といった社会の変化に合わせ、納骨堂のあり方も変わってきています。寺院に併設された従来の納骨堂に加え、マンションのような建物の中に多くの納骨壇を設けた施設も増えてきました。従来の納骨堂は石造りで重厚なイメージでしたが、現代的な建物の中に納骨スペースを設けることで、より多くの方が利用しやすい環境となっています。また、高齢の方や体の不自由な方でも安心してお参りできるよう、段差をなくしたバリアフリー設計や冷暖房完備など、快適性に配慮した施設も増えています。納骨堂は、承継者がいらっしゃらない方や、お墓の管理が難しい方にとって、大切なご遺骨を安置する場所として選ばれています。また、費用面でも比較的負担が少なく、お墓参りの際の利便性も高いことから、近年利用者が増えています。都心部では駅に近い場所に位置する納骨堂もあり、電車を使ったお参りも容易です。さらに、天候に左右されずにお参りできることも大きな利点と言えるでしょう。