経済的負担

『ゼロ死』とは、お通夜や告別式といった従来の儀式を一切行わず、火葬のみで故人を見送る葬送の方法です。近年、葬儀の簡素化や費用を抑えたいという風潮の中で注目を集めており、新しい選択肢として選ばれる方が増えています。従来の葬儀では、お通夜、告別式、お斎（食事会）など様々な儀式があり、それらに掛かる費用も高額になりがちでした。香典返しや会葬返礼品なども必要で、参列者の人数が多いほど費用はかさみます。ゼロ死ではこれらの儀式を全て省略するため、費用面の負担を大幅に軽くすることができるという大きな利点があります。また、遺族の精神的、肉体的な負担も軽減できるという点も大きな特徴です。従来の葬儀では、多くの参列者への対応や複雑な段取りなど、遺族にとっては大きな負担となることも少なくありませんでした。ゼロ死を選択することで、これらの負担から解放され、故人との最後の時間を静かに、落ち着いた気持ちで過ごすことができます。近年では家族葬や密葬といった小規模な葬儀も増えていますが、ゼロ死はそれよりもさらに簡素化された形と言えます。葬儀にかける時間や費用、労力を最小限に抑えたいという方や、故人の意思を尊重して簡素な形で見送りたいという方にとって、ゼロ死は一つの選択肢となり得ます。ただし、親族や周囲の理解を得ることが大切です。事前にしっかりと話し合い、納得の上で進めるようにしましょう。ゼロ死は、費用を抑えたい、遺族の負担を軽くしたい、故人の意思を尊重したいといった様々なニーズに応える、現代社会に生まれた新しい葬送のかたちです。時代と共に変化する葬送の形の一つとして、今後ますます広まっていく可能性があります。