複数戒名

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法事

くりだし位牌:コンパクトに先祖を祀る

くりだし位牌は、大切なご先祖様を多くお祀りしたいけれど、お仏壇のスペースに限りがあるという方にとって、大変便利な位牌です。一つの位牌の中に、何枚もの薄い木板が収納できる仕組みになっており、それぞれの木板に戒名が記されています。まるで、ご先祖様のためのアパートのようなものと言えるでしょう。普段は「○○家」や「先祖代々」といった文字が書かれた表札のような板が正面に見えており、位牌全体を象徴する役割を果たしています。そして、法要などの機会には、その日に特に供養する故人の戒名が記された板を、この位牌の内部から前に繰り出すことができます。まるで、アパートの中から特定の部屋の明かりが灯るように、故人の戒名が正面に現れるのです。このくりだし式という構造こそが、くりだし位牌の最大の特長です。限られたスペースであっても、多くの故人を個別に供養できるため、近年多くの方々に選ばれています。また、位牌を複数置く必要がないため、お仏壇周りがすっきりとして、管理もしやすくなるという利点もあります。さらに、ご先祖様をまとめてお祀りすることで、一族のつながりをより強く感じられるという方もいらっしゃいます。このように、くりだし位牌は、現代の住宅事情に合った、便利で心のこもったご先祖様への供養の形と言えるでしょう。