
4月8日は花まつり
四月八日は灌仏会(かんぶつえ)です。灌仏会とは、お釈迦様の誕生日を祝う仏教行事です。この日、お寺ではお釈迦様の誕生仏に甘茶をかける儀式が行われます。この儀式は、花で飾られた花御堂の中に安置された誕生仏に甘茶を注ぎかけることで、仏様の慈悲に触れ、自らの心を清めるという意味が込められています。誕生仏は、右手を天に、左手を地に向けている姿で表現されます。これは、お釈迦様が生まれた直後に「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と唱えたという言い伝えに基づいています。この言葉は、自分がこの世で最も尊いという意味ではなく、全ての人の中に仏性があり、誰もが尊い存在であるという意味です。灌仏会は、この尊い命に感謝し、慈しみの心を育む大切な機会となっています。甘茶をかけるのは、お釈迦様の誕生時、九頭の龍が天から甘露の雨を降らせて産湯としたという伝説に由来しています。また、甘茶には魔除けの効果があるとされ、無病息災を願う意味も込められています。砂糖の何百倍もの甘みがあるにもかかわらず、体に吸収されにくい甘茶は、健康を願う人々にとって、まさに天からの贈り物と言えるでしょう。この行事は、宗派を問わず多くの寺院で行われており、誰でも参加することができます。お釈迦様の誕生を祝い、自らの心と向き合う静かなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。花御堂の華やかな飾り付けや、甘茶の甘い香りの中で、命の尊さや慈しみの心について改めて考えてみる良い機会となるでしょう。