骨覆

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葬式

大切な人を包む骨覆:その役割と選び方

骨覆とは、火葬後のご遺骨を納めた骨壷を包むための布製の袋のことです。大切な故人様を包み込み、守るという意味が込められており、葬儀や法要で大切な役割を担っています。その起源は、土葬が主流だった時代に遡ります。当時は、ご遺体を包むために布が用いられていました。時代が変わり、火葬が一般化するにつれて、現在の骨壷を包む形へと変化していったのです。骨覆には、骨壷を傷から守るという実用的な目的もあります。ご遺骨を直接持ち運ぶ際に、骨壷がぶつかったり、傷ついたりするのを防ぎます。しかし、それ以上に大きな意味を持つのが、故人様を敬い、大切に思う気持ちの表れとしての役割です。故人様を丁寧に包み込むことで、感謝の気持ちや、安らかに眠ってほしいという願いを込めるのです。骨覆には様々な種類があります。色や柄、素材も実に様々で、故人様の生前の好みや趣味、ご遺族の故人様への想いを込めて選ぶことができます。例えば、故人様が華やかなものが好きだった方は、明るい色合いのものや、美しい刺繍が施されたものを選ぶことができます。また、落ち着いた雰囲気を好まれた方は、深い色合いのシンプルなものが良いでしょう。素材も、絹や綿、麻など様々なものがありますので、故人様にふさわしいものを選ぶと良いでしょう。このように、骨覆は単なる袋ではなく、故人様への想いを形にする大切な品です。ご遺族にとって、故人様を偲び、弔う大切な儀式の中で、骨覆は静かに、そして力強く、その想いを支えてくれることでしょう。