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葬式準備

故人を偲ぶ、新しい形:ラステル

近年の都市部では、住まいの様子が変わり、暮らしにも様々な変化が生まれています。特に、葬儀のやり方は大きく変わってきました。かつては亡くなった方を自宅に安置し、通夜や葬儀を行うのが普通でした。しかし、集合住宅に住む人が増え、家族の人数が少なくなった現代では、自宅に安置することが難しい場合も多くなっています。自宅に安置できない場合は、葬儀場などに運びますが、すぐに火葬の日程が取れないこともあり、その間の安置場所を見つけることが問題となっています。このような状況の中で、亡くなった方を偲び、ゆっくりとお別れをするための新しい施設として注目されているのが「ラステル」です。ラステルとは、「最後の宿」を略した言葉で、亡くなった方を葬儀の前日まで安置できるだけでなく、親族が一緒に泊まれる設備も整っています。まるでホテルのように、故人の傍でゆったりと最後の時間を過ごせるように配慮されています。ラウンジや個室も完備されており、家族や親戚だけで静かに故人を偲ぶことができます。都会では葬儀場の予約も取りにくく、火葬場も順番待ちになることがあります。そのため、ラステルのような施設は、遺族にとって時間的な余裕を生み出し、気持ちの整理をつけるための貴重な時間を提供してくれます。また、自宅での安置が難しい場合でも、ラステルを利用することで、故人とゆっくりお別れをすることができます。ラステルは、都会の葬儀の新しい形として、多くの人々に選ばれています。故人との最後の時間を大切にしたい、という遺族の気持ちに応える、温かいサービスを提供しています。時代の変化とともに、葬儀の形も変わりつつあります。ラステルのような施設は、これからの時代のニーズに応える、新しい葬送のかたちと言えるでしょう。
法事

仏事と落雁:供養の心を込めたお菓子

{落雁とは、米粉と砂糖を主な材料とした、型で抜かれた上品な干菓子です。木型を使って様々な形に成形されることが多く、淡い色合いと、口の中で優しく崩れる繊細な食感が魅力です。落雁の起源は中国から伝わった唐菓子にあり、奈良時代には日本にも伝来したと言われています。当初は宮中や寺院などで供される貴重なものでしたが、江戸時代になると製法が改良され、砂糖の生産も盛んになったことで庶民にも広まりました。茶道文化の発展と共に、茶席で供される和菓子としても定着し、現在に至るまで広く親しまれています。落雁は仏事と深い繋がりがあります。お盆やお彼岸、法事などの仏事の際に、故人を偲び、冥福を祈る気持ちを表すためにお仏壇やお墓にお供えします。これは、落雁が保存性の高い干菓子であること、そして精進料理に用いられる砂糖や米粉を材料としていることから、仏事の場にふさわしいと考えられたためです。また、華美ではない控えめな見た目と、静かに味わう上品な風味も、厳かな仏事の雰囲気に合致しています。落雁の淡い色合いは、自然由来の着色料で表現されることが多いです。例えば、紅色には紅麹、緑色には抹茶、黄色にはクチナシなどが使われます。これらの優しい色合いは、見ているだけで心を穏やかにしてくれます。また、型抜きによって様々な形に作られることも落雁の魅力の一つです。四季の花や鳥、縁起の良い模様などが施され、見て楽しむだけでなく、贈り物としても喜ばれます。近年では、伝統的な型に加え、現代的なデザインを取り入れた落雁も登場し、その素朴ながらも奥深い世界は、多くの人々を魅了し続けています。