デザイン墓:個性を表現する新しいお墓の形
昔ながらのお墓といえば、和式や洋式の決まった形をした墓石がほとんどでした。家名を刻み、家単位で使うのが当たり前で、代々受け継がれていくのが当然とされていました。しかし、近頃は家族の形や人々の価値観も変わり、お墓に対する考え方にも変化が表れています。従来の型にはまらない、故人の人となりや遺族の気持ちを表現できるお墓として注目されているのが、デザイン墓石です。デザイン墓石は、形や材料、装飾などを自由に選んで、世界にたった一つしかない、オリジナルのお墓を建てることができます。趣味や仕事、好きだったものなどを形にすることで、より深く故人を偲ぶ場を作り出すことができるでしょう。従来のお墓は、家単位で管理・継承していくことが前提でしたが、少子高齢化や核家族化の影響で、後継者がいない、あるいは遠方に住んでいるといったケースも増えています。その結果、お墓の管理が難しくなり、無縁仏になってしまうことも少なくありません。このような問題に対し、デザイン墓石の中には、永代供養墓や納骨堂といった形で、管理の負担を軽減できるものもあります。また、デザイン墓石は、故人の個性を表現することに重点を置いているため、遺影や好きだったものを納められるスペースが設けられている場合もあり、従来のお墓よりも故人の思い出を色濃く残せる点が特徴です。お墓は、亡くなった方を偲び、その記憶を後世に伝える大切な場所です。デザイン墓石は、従来のお墓とは異なる新しい選択肢として、多様化する現代のニーズに応えるものと言えるでしょう。時代とともに変化する価値観や家族のあり方に合わせて、お墓の形も変わりつつあります。