積み団子の意味と由来
積み団子とは、亡くなった方の霊を弔うため、初七日や四十九日といった法要で供える、ピラミッドのように重ねたお団子のことです。この風習は日本独自のものです。昔から、ご先祖様への感謝の気持ちと、亡くなった方が無事にあの世へ行き、ご先祖様になるまでの道のりの食べ物として供えられてきました。つまり、積み団子は故人の霊への供え物であると同時に、ご先祖様への感謝の気持ちを表すものなのです。このピラミッド型には、故人の霊が迷わず成仏できるように、そして、あの世での幸せを願う気持ちが込められています。お団子の数は地域によって違い、三段、五段、七段など様々です。お団子の段数は、三、五、七といった縁起の良い奇数とされています。三段は仏教における「三途の川」を渡るための力、五段は「五智如来」の功徳、七段は「七仏薬師」の加護を意味するなど、諸説あります。また、地域によっては、お団子の代わりにご飯や里芋を重ねる風習もあるようです。お米は古くから日本人の主食であり、里芋は子孫繁栄を象徴する食べ物とされています。いずれの場合も、故人の冥福を祈る気持ちに変わりはありません。積み団子は、故人を偲び、冥福を祈るとともに、ご先祖様への感謝を伝える日本の大切な伝統文化なのです。積み重ねられたお団子一つ一つに、深い意味と、故人を思う気持ちが込められていると言えるでしょう。